ボーイングと東レ(3402)は11月17日、現在両社で締結している787型機向け炭素繊維の供給契約を、777Xの複合材主翼にも適用することで合意し、覚書を交わしたと発表した。
正式契約が締結されると、現在の契約が2015年から長期にわたり延長される。今回の合意により、東レのボーイングへの供給量は大幅に増加する見込み。
777Xの主翼の翼幅は71.1メートルで、現行の777-300ERよりも6.95メートル伸びる。製造はワシントン州エバレットにあるボーイングの工場が担当する。今回の合意で、777Xの主要構造部位に使われる、75%以上の素材の調達計画が達成されたことになる。
また、両社は航空宇宙用途での炭素繊維複合材料の適用拡張に向けた取り組みを、共同で実施することでも合意。製造システム全体での複合材の使用比率増加や、金属と競合出来るコスト構造などについて、研究を進めていくという。
両社は1970年代から、炭素繊維に樹脂を合浸させたプリプレグを使用。1994年に777用として製造された尾部や床梁は、民間機の構造的に重要な部位に、初めて複合材が採用された事例となっている。2004年にローンチが決定した787では、より多くの複合材が採用された。
777Xの生産開始は2017年、初号機の引き渡しは2020年を予定。3クラスの標準座席数は777-8Xが350席、777-9Xが400席、航続距離は777-8Xが9300海里(1万7220キロメートル)以上、777-9Xが8200海里(1万5185キロメートル)以上を計画している。
日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)が、777-9Xを777-300ERの後継機として20機を7月に正式発注した。
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Boeing
ボーイング・ジャパン
東レ
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