スカイマーク(SKY/BC、9204)の監査を担当する東陽監査法人は、2014年7-9月期の四半期レビュー報告書で、「重要な不確実性が認められる」との見解を示した。同報告書は、SKYが11月14日に関東財務局へ提出した四半期報告書とともに公表された。
四半期報告書によると、SKYはフルフライト・シミュレーター(FFS)3台と作業用車両36台を合計18億円で売却。高額の固定資産をリース会社などに一旦売却し、リース契約を結ぶ「セール・アンド・リースバック」により、手元資金を確保するのが狙い。
売却したFFSは、ボーイング737-800型機用が2台とエアバスA330-300型機用が1台。譲渡価格は737用が2台で4億3100万円、A330用が7億9700万円で、このほかに空港で使用する地上支援作業用車両36台を5億7000万円で売却した。
今回のセール・アンド・リースバック契約は10月31日に締結し、11月1日からリースを開始している。SKYは10月30日、航空機の予備エンジンやFFSなど、高額固定資産のセール・アンド・リースバックを進める方針を明らかにしており、これに基づくもの。
大株主については上位3者に変動はなかった。西久保愼一社長が筆頭株主で持ち株比率30.56%(2791万3200株)、2位がエイチ・アイ・エス(HIS、9603)で6.49%(592万6100株)、3位はパチスロメーカーの山佐(岡山県新見市)で4.56%(416万7400株)。HISは7月29日に33万2500株を手放し、現在の株数となった。SKYの9月30日時点の発行済み株式数は9134万200株。
東陽監査法人は、四半期レビュー報告書で「現金預金残高が減少傾向にあり、今後の資金繰りに十分な余裕を確保できなくなる可能性がある」と指摘。また、FFSと車両のセール・アンド・リースバック実施については、「当監査法人の結論に影響を及ぼすものではない」としている。
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