11月10日、大手航空機リース会社のSMBCアビエーションキャピタルが、ボーイング737 MAX 8を80機発注した。同社のピーター・バレットCEO(最高経営責任者)は、契約内容について「顧客の要望に応じて、さまざまな737 MAXシリーズを提供できる契約」と説明。7月に英国で開かれたファンボロー航空ショーでボーイングが発表した、LCC(低コスト航空会社)向け200席仕様「737 MAX 200」も選択可能であることを明らかにした。
ボーイングは737 MAX 200の手応えをどう感じており、後継機のない737-600(1クラス132席)の市場をどう見ているのか。また、全日本空輸(ANA/NH)が777-300ERの後継として導入する777-9Xを含む、777Xは787と同程度の湿度を実現するという計画は実現できるのか。
ボーイング民間航空機部門グローバル・セールス&マーケティング担当シニア・バイス・プレジデント(SVP)のジョン・ウォジック氏に聞いた。
──世界で737 MAX 200はどのくらい受注しているか。
ウォジック氏:今のところはローンチカスタマーである、ライアンエア(RYR/FR)からの100機の発注コミットメントのみだ。
まだ発表したばかりの機体なので、積極的に販売していきたい。(今回737 MAX 8を発注した)SMBCアビエーションキャピタルさんのようなリース会社は、興味を示されている。
SMBCアビエーションキャピタルの契約はフレキシビリティを持たせており、737 MAX 8だけではなく、737 MAX 200や737 MAX 7、737 MAX 9も選択可能だ。
──いま、航空会社は大きめの機体を選ぶ傾向がある。そうした状況でも737 MAXシリーズでは、737 MAX 8がもっとも販売数が見込める大きさなのか。
ウォジック氏:おっしゃるとおり、データを分析すると大きな機体を選ぶ傾向がみられる。737NG(次世代737)や競合相手(エアバスのA320ファミリー)を見てもそうだ。
737 MAXでは、全体の4分の3が737 MAX 8になる。このサイズがマーケットの中心と言える。
──737 MAXには737-600の後継機がない。この1クラス仕様132席の大きさはボーイングにとって魅力的ではないのか。
ウォジック氏:魅力的ではないとは言えない。どんな市場も魅力的だ(笑)。
ボーイングとしては、一番大きいマーケットを中心に飛行機を作っている。それが737 MAXの場合、737 MAX 7や737 MAX 8、737 MAX 9ということだ。
我々の需要予測で、単通路機についてはこの3機種のセグメントの需要が最も見込まれ、これに737 MAX 200を加えた4機種で市場をカバーしていく。
──777Xは787と客室の湿度が同じになると聞いている。本当なのか。
ウォジック氏:イエス。787と同様の湿度と機内強度、空調を実現する。もしくは、787よりも良いものになるかもしれない。
787は飛行機を降りた際、従来の飛行機よりも快適だったとか、疲れが少なかったという声を聞いている。777Xの初号機引き渡しは2020年なので、最低でも787と同レベルを目指すということだ。
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