日本GEは11月6日、都内で「インダストリアル・インターネット」をテーマにしたセミナーを開催した。セミナーでは航空会社向けプログラム「Flight Efficiency Services(FES)」など、ビッグデータの活用事例を紹介、GEアビエーション リージョナル・ソリューションズ・ディレクターのサム・マロス氏らが登壇した。
FESは6000万時間のフライトデータを活用して制作した解析ツールで、効率の良い経路の選択や飛行経路を解析。航空機運航コストの約40%を占める燃料関連のコストを削減する。
エアアジア(AXM/AK)はFESを導入、燃料コスト削減を図っている。2014年には1000万ドル(約11億4530万円)、2017年までには3000万ドルの削減を実現する見通し。
ブラジルの低コスト航空会社(LCC)のゴル航空(GLO/G3)も導入。ブラジリア空港での離発着ごとの統計によると、飛行経路は22マイル(約35.2キロメートル)、飛行時間は7.5分短縮、燃料は77ガロン(約291.5リットル)、CO2(二酸化炭素)排出量は1620ポンド(約734.8キログラム)削減したという。
FESはAXMやGLOのほか、デルタ航空(DAL/DL)やユナイテッド航空(UAL/UA)、エティハド航空(ETD/EY)など100社以上が導入している。日本国内の航空会社は未導入。
プログラムでの提供で、GE社製以外のエンジンを搭載した機体にも提供する。
インダストリアル・インターネットとは、産業機器とビッグデータと人々を結びつけるネットワーク。産業機器に計測機器を搭載、機器がデータを収集し、クラウドベースのネットワークに集約、データ解析を実行する。GEの試算によると、航空機エンジンの燃料消費や長距離貨物列車の運行システム、火力発電の燃焼効率を1%改善すると年間で約200億ドルの利益を生むという。
関連リンク
インダストリアル・インターネット(日本GE)
GE Aviation
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