カンタス航空(QFA/QF)は現地時間10月21日、エアバスA330型機用の新ビジネスクラスシートを発表した。離陸から着陸までリクライニングできる、世界初のシートとなる。
新シートはオーストラリアのデザイナー、マーク・ニューソン氏とともにデザインされ、QFAが保有する28機のA330に導入予定。全席が通路側に面しているフルフラットシートで、1-2-1配列となる。シートメーカーは英トンプソン・エアロ・シーティングで、QFA向けに開発された「Vantage XL(ヴァンテージXL)」を採用した。個人用モニターは16インチ。
仕事をしながら食事ができる広さを確保し、スマートフォンやタブレット端末など電子機器類の収納スペースも用意。離陸から着陸まで、就寝用マットレスを敷いたままリクライニングできることが大きな特長となっている。QFAでは、業務渡航客の多くが、搭乗前にラウンジで食事を済ませ、機内では休息や睡眠に時間を使うことから、このようなシートに仕上げたという。
国際線用A330のエコノミークラスには、独レカロ製シートの次世代モデルを導入。同シートの前のバージョンは、エアバスA380やボーイング747に採用されている。
また、国際線用A330のビジネスとエコノミー両クラスでは、シート背面のタッチパネル式モニターで、米パナソニック アビオニクス製IFE(機内エンターテインメント)システム「eX3」を使用可能。機内の無線LAN経由でコンテンツ配信する「Qストリーミング」にも対応している。
A330のインテリアのリニューアルは、1機に約1カ月必要としており、11月からQFAのブリスベン整備工場で開始する。国内線用A330の改修初号機は、12月後半に豪州の東海岸からパース行きで運航開始を予定。一方、国際線の新仕様機は、2015年1月から就航する見通し。
現在、QFAではA330を国際線ではシドニー発着のシンガポール線、香港線、パース線、バンコク線、ジャカルタ線、マニラ線、ホノルル線、上海線で、豪州国内線ではシドニー-メルボルン線、ブリスベン線で運航中。現時点で、新仕様機の日本路線への就航予定はない。
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カンタス航空
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