羽田空港を巡る話題が再び賑やかになってきた。国土交通省航空局(JCAB)が、深夜早朝時間帯の国際線着陸料を11月から割り引く方針を示し、羽田と都心を結ぶバスの実証実験も、10月26日から2015年3月31日まで実施する。
懸案となっている米国との発着枠交渉は、依然として米国側が厳しい要求を示していることが、Aviation Wireの取材でわかった。羽田と成田は本当に共存していけるのだろうか。
着陸料は1年目半額
11月から割り引くのは、「深夜早朝時間帯」と定義されている午後11時から午前6時までの着陸料。全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)が激しい争奪戦を繰り広げた昼間時間帯(午前6時から午後11時まで)の発着枠とは対照的に、現時点では余裕があるため、着陸料を引き下げることで新規就航や増便を促す。
割引率は1年目は50%、2年目は30%、3年目は20%。長距離国際線に使用されているボーイング777-300型機の場合、1回あたりの着陸料は約70万円。就航1年目の着陸料は約35万円、2年目が約49万円、3年目が約56万円となる。国内線の深夜早朝時間帯も、従来から実施している軽減措置を継続し、50%割り引く。
深夜早朝便は、羽田へのアクセスに問題があることから、これまで利用が低迷傾向にある。例えば、アメリカン航空(AAL/AA)は羽田-ニューヨーク線を運航していたが、2013年12月で撤退。AALに限らず、深夜早朝便は集客に苦戦している路線が多い。このため、JCABでは深夜早朝の足も確保する。
都心まで4社がバス運行
着陸料の割引にあわせて、羽田と都心ターミナル駅などを結ぶバス5路線の実証運行も実施。(1)羽田-銀座・東京・秋葉原、(2)羽田-新宿・池袋、(3)羽田-渋谷、(4)羽田-品川・蒲田・大鳥居、(5)羽田-横浜(YCAT)の5路線を1日1往復運行する。
羽田の国際線ターミナルに乗り入れる鉄道は、京浜急行電鉄(9006)と東京モノレールの2路線。いずれも始発が午前5時台で、終電が午前0時台だ。実証運行する深夜バスは、羽田発が午前1時台、羽田着が午前4時台で、(1)と(2)の路線を東京空港交通が、(3)の路線を京浜急行バスと東急バスが、(4)の路線を羽田京急バスが、(5)の路線を京浜急行バスがそれぞれ運行する。
運行路線のうち、(1)と(4)は国の利用促進調査による実証運行、(2)と(3)は東京都による実証運行、(5)は京急バスによる自主運行となる。
運賃は(1)が片道1860円、(2)が2000円、(3)が2060円、(4)が蒲田と大鳥居が560円で品川駅が1030円、(5)が1030円と、おおむね1000円から2000円台。都心で終電後に運行されている深夜バス並みの運賃になっている。
チャーター枠は15年春まで延長
羽田の国際線発着枠は3月30日から、昼間時間帯(午前6時から午後11時まで)について1日当たり40枠(40往復、発着80回)が増枠された。これにより、国際線の年間発着枠は6万回から9万回に増えた。
すでに31枠は欧州やアジアへの定期便に配分されているが、米国との交渉がまとまらなかったことで、残り9枠を国際チャーター便枠として利用している。
交渉が妥結すれば、10月26日に始まる冬ダイヤから9枠を米国路線で使用するはずだった。国交省関係者などによると、米国運輸省(DOT)側は
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