「安心・カジュアル・フレッシュ」をスローガンに掲げる航空会社が9月30日、1997年の設立以来17年の歴史に幕を下ろす。日本航空(JAL/JL、9201)が100%出資し、地方路線を中心に担ってきたジャルエクスプレス(JEX/JC)だ。10月1日からは、JALとして再スタートする。
JEXは1998年7月、2機のボーイング737-400型機(146席)で伊丹-鹿児島線、宮崎線から運航を開始。客室乗務員を「スカイキャスト」と呼ぶのが特徴的だった。演劇で配役を意味する「キャスト」は、単に保安要員として乗務するだけではなく、乗客を楽しませる客室乗務員でありたいという願いが込められていた。
一方で、機内清掃もスカイキャストがこなすなど、今で言うLCC(低コスト航空会社)の考え方が取り入れられていた。運航コストを削減し、空港到着から25分で折り返すことで多頻度運航を目指した。
JALグループの中では、現代の航空会社が必要とする要素を先取りしていた航空会社だったと言えるJEX。実際に運航に携わっていたパイロットやスカイキャストは、どのようなことを感じていたのか。そして、次の時代に空の仕事を目指す人に、何を求めているのだろうか。
機長の佐渡智之さんとスカイキャストの岡井恭子さんに聞いた。
「後輩を守れない先輩にはならない」
「以前は応募条件に“パイオニア精神がある人”と書いてあったんですよ」と岡井さんは振り返る。JEXの客室乗務員はスカイキャスト。このコンセプトに至ったのは、機内エンターテインメントシステムや、機内誌がなかったことが関係していたという。
乗客との距離感が近いことで、スカイキャストがもてなせるようにした。90年代後半といえども、まだ飛行機での旅行になじみがない人も目立ち、そうした乗客が不安にならないよう、話しかけたりしたそうだ。
岡井さんは1999年入社。スカイキャスト2期ということで、いかに到着から25分でボーディングを開始するかを、先輩や同僚とともに試行錯誤の毎日だった。
「先輩を含めてスカイキャストは40人くらいでした。清掃も“できるところは全部やりましょう”ということで、清掃会社との線引きはありましたが、助け合いの精神でした」と岡井さんは話す。地方空港の職員からは、
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