羽田空港の発着枠拡大を検討している国土交通省航空局(JCAB)は8月26日、成田を含む首都圏空港の機能強化を具体化するため、「首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」を設置し、第1回の会合を開いた。JCABからは、羽田発着枠の拡大に必要となる飛行経路見直しなどについて説明がなされ、周辺自治体からは騒音や安全性について、詳しい説明や対応を求める声があがった。(航路案の資料追加 – 8/27 11:36)
都心の低空飛行解禁検討
羽田の発着枠は年間44.7万回で、このうち国際線は9万回(昼間6万回、深夜早朝3万回)。現在27万回の成田は2014年度中に30万回となり、両空港を合わせてパリに匹敵する74.7万回となる。JCABの需要予測では、2022年度から2027年度に現在両空港が持つ処理能力を超える見込みで、発着枠拡大は不可欠だとしている。
2020年の東京五輪開催までに、羽田は滑走路処理能力や運用、飛行経路の見直しで約1.3万回から3.9万回の上乗せを図る。成田については、管制機能の高度化や着陸機が滑走路にとどまる時間を短縮する高速離脱誘導路の整備、夜間飛行制限の緩和で4万回以上拡大し、両空港合わせて約7.9万回増の年間約82.6万回化を目指す。
東京五輪開催後は、両空港とも滑走路増設を検討し、成田は2本ある既存滑走路のうち、B滑走路を現在の2500メートルから3500メートルに延長する案が出されている。
このうち、2020年までの実現を目指す羽田の発着枠拡大について、JCABでは飛行経路の見直しが不可欠であると説明。現在は1時間当たり離陸40回、着陸40回の計80回で運用しているが、滑走路運用と飛行経路の見直しにより、離陸46回、着陸40回の計90回まで増やせるとして、関係自治体へ理解を求めていく。
飛行経路の見直しは、都心上空の低空飛行を解禁することにつながり、これまで千葉県の東京湾寄りに集中していた羽田の騒音問題を、周辺の1都3県で分担することになる。
都心の低空飛行が解禁されると、羽田北側からA滑走路(16R)やC滑走路(16L)に着陸する場合は、品川区上空での高度は1500フィート(約455メートル)となる。
騒音や安全性の説明を
協議会に出席した東京都の安藤立美副知事は、「2020年の五輪開催やその後を見据えると、羽田の機能強化は不可欠」と理解を示した。その上で、「地元の意見に対して、国は丁寧な説明と正しい情報提供をお願いしたい」と述べ、都が推進する横田基地の空域返還についても、実現を要望した。協議会では伊丹空港や福岡空港など、すでに都市部上空を飛行している他空港の事例も紹介されたが、「今まで経験したことのない世界なので、わかりやすく丁寧に示して欲しい」と重ねて国に求めた。
成田空港を擁すると共に羽田の騒音問題を抱える千葉県の諸橋省明副知事は、「成田と羽田の役割分担が曖昧になってきた。成田は話し合いで信頼関係を構築してきたので、
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