全日本空輸(ANA/NH)は8月20日、2014年度下期の輸送事業計画を一部変更すると発表した。国内線は羽田-中部(セントレア)線を新設し、羽田での国際線乗り継ぎ利便性を高める。国際線では需要が増加している羽田-台北(松山)線や成田-上海(浦東)線で、機材を大型化する。
国内線
国内線では、冬ダイヤが始まる10月26日から羽田-中部(セントレア)線の運航を1日1往復で開始する。運航機材はボーイング737-800型機で、プレミアム8席、普通席159席の計167席。NH85便は羽田を午後6時25分に出発、中部に午後7時30分に到着する。NH86便は午前7時50分に中部を出発、羽田着は午前8時50分。NH85便は日によってプレミアム8席、普通席158席の計166席の737-800で運航する。
羽田-中部線の就航で、羽田で乗り継ぐ中部圏の国際線利用客を取り込む狙いがある。NH86便は羽田を出発するジャカルタ線(NH855便、午前10時10分発)やパリ線(NH215便、午前10時40分発)など、NH85便は羽田に到着するミュンヘン線(NH276便、午後3時45分着)やロンドン線(NH278便、午後3時55分着)などと接続、利便性の向上を図る。
このほか、10月26日から羽田-那覇線を1日10往復から11往復に、羽田-岡山線を同5往復から6往復に、伊丹-福岡線を同5往復から7往復に、福岡-那覇線を同8往復から9往復に増便。2015年2月1日から3月28日までの期間限定で、羽田-石垣線を1日1往復から2往復に増便。高まるレジャー需要に対応する。
10月26日から減便となるのは4路線。羽田-山口宇部線は1日5往復を3往復に減便する。同線の減便分はANAホールディングス(9202)が筆頭株主のスターフライヤー(SFJ/7G、9206)が1日3往復を新規で就航させる。このほか伊丹-札幌線を同4往復から3往復に、伊丹-那覇線を同3往復から2往復に、仙台-札幌線を同4往復から3往復に減便する。
国際線
国際線では、10月26日から成田-成都線を週7往復から週4往復に減便。利用客の減少による措置で、成田発は月曜と水曜、金曜、土曜に、成都発は火曜と木曜、土曜、日曜に運航する。中国からの利用が見込める旧正月(春節)にあたる2015年2月13日から28日までは、1日1往復のデイリーで運航する。
同じく10月26日からは、一部路線で機材変更を実施する。羽田-台北(松山)線は、現在ボーイング787-8型機と767-300ERで週7往復ずつ運航しているが、787-8に統一することで機材を大型化し、需要増に対応。週14往復を240席仕様機(ビジネス42席、エコノミー198席)と、222席仕様機(ビジネス42席、エコノミー180席)のいずれかで運航する。羽田-マニラ線は、787-8を羽田-台北線の767-300ERと入れ替える。
2015年2月1日からは、羽田-ソウル(金浦)線の機材を小型化。週14往復を現在の777-200ER(306席:ビジネス35席、エコノミー271席)から、787-8(240席:ビジネス42席、エコノミー198席)に変更する。
成田-上海(浦東)線に週14往復で導入している787-8のうち、週7往復を777-200ERに変更。成田-上海線の787-8と羽田-ソウル線の777-200ERを入れ替え、上海線の需要増に対応する。
貨物便
貨物便は5月14日から運航している767-300F型貨物機の10号機を、10月26日から羽田-那覇線に導入。現在は旅客機である777-300か787-8で運航しているが、貨物専用機に変更することで輸送力増強を図る。
10月13日からは、大連線と天津線を直行便に変更し供給量を拡大する。成田-大連-関西線は片道週5便、関西-天津-関西線を片道週5便で運航する。関西-那覇線は片道週6便から11便に、成田-那覇線は片道週6便から7便に増便し、沖縄国際航空物流ハブのネットワークを拡大させる。関西-天津-大連-関西線は片道週6便から1便に減便、片道週6便の運航だった成田-バンコク-那覇線は運休する。
新設
旅客便(10月26日から)
羽田-中部(737-800)
NH85 羽田(18:25)→中部(19:30)
NH86 中部(07:50)→羽田(08:50)
貨物便(10月13日から)
成田-大連-関西(片道週5便)
関西-天津-関西(片道週5便)
増便
旅客便(2015年2月1日から3月28日まで)
羽田-石垣(1日1往復→2往復、767-300)
NH89 羽田(07:20)→石垣(10:55)
NH90 石垣(11:35)→羽田(14:20)
旅客便(10月26日から)
羽田-那覇(1日10往復→11往復)
羽田-岡山(1日5往復→6往復)
伊丹-福岡(1日5往復→7往復)
福岡-那覇(1日8往復→9往復)
貨物便(10月13日から)
関西-那覇(片道週6便→11便)
成田-那覇(片道週6便→7便)
減便
旅客便(10月26日から)
羽田-山口宇部(1日5往復→3往復)
伊丹-札幌(1日4往復→3往復)
伊丹-那覇(1日3往復→2往復)
仙台-札幌(1日4往復→3往復)
成田-成都(週7往復→4往復)
*2015年2月13日から28日まではデイリー運航
貨物便(10月13日から)
関西-天津-大連-関西(片道週6便→1便)
運休
貨物便(10月13日から)
成田-バンコク-那覇
機材変更
旅客便(10月26日から)
羽田-台北(767-300ER→787-8)
羽田-マニラ(787-8→767-300ER)
羽田-ソウル(777-200ER→787-8)
成田-上海(787-8→777-200ER)
貨物便(10月26日から)
羽田-那覇(777-300と787-8→767-300F)
関連リンク
全日本空輸
・ANA、羽田-中部線開設 冬ダイヤから1日1往復(14年7月23日)
・スターフライヤー、山口宇部-羽田線冬ダイヤから ANAは減便(14年7月23日)
・ANAカーゴ、ヤマトと連携強化 アジア富裕層取り込みへ(14年5月30日)