エアバスは現地時間8月4日、型式証明取得に向け路線実証飛行試験中のA350-900が、南アフリカのヨハネスブルグに到着したと発表した。同型機がアフリカ大陸に着陸するのは初めて。
ヨハネスブルグでは、高地での自動着陸試験を実施。ヨハネスブルグのO・R・タンボ国際空港は海抜1694メートルで、実験に適している。
同機はすでに次の目的地、豪シドニーに向けて離陸している。
飛行試験は、5機ある飛行試験機のうち5機目の試験機(MSN5)で実施。同機は客室を装備した機体で、ビジネスクラス42席とエコノミー・クラス223席の計265席仕様となる。飛行試験では、エアバスのフライトクルーとEASA(欧州航空安全局)のパイロットが同乗する。
飛行試験はすべて仏トゥールーズから出発し、4回に分けて14都市に飛来。1回目は、北極を通過してカナダとフランクフルトへ飛行し、2回目はアジアの香港、シンガポールへ向かう。3回目はヨハネスブルグ、シドニーに向かい、シドニーからオークランド、サンティアゴ、サンパウロを経て、トゥールーズに戻る。4回目はトゥールーズからドーハ、パース、ドーハに戻り、さらにモスクワとヘルシンキへ飛んだ後、トゥールーズへ戻る。8月13日まで実施する。
A350の型式証明取得は今年7-9月期(第3四半期)を予定。ローンチカスタマーであるカタール航空(QTR/QR)への量産初号機の引き渡しは、年末になる見通し。
A350 XWBファミリーは3機種で構成。座席数はメーカー標準の3クラス仕様でA350-800が276席、A350-900が315席、A350-1000が369席。エンジンは英ロールス・ロイス社製トレントXWBを搭載する。
7月末時点で、世界38社から742機の受注を獲得。日本では、日本航空(JAL/JL、9201)がボーイング777型機の後継機として、A350-900とA350-1000を合わせて最大56機導入する。
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