全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)は7月31日、ボーイング777-9XやエアバスA320neoなど5機種の契約を正式発注に切り替えたと明らかにした。合計70機を発注し、ANAグループとしては過去最大の発注機数、投資額となる。受領時期は2016年度から2027年度。
大型機は777-9Xを777-300ERの後継機として20機発注。777-9Xの引き渡し開始までの新機材として、777-300ERを6機発注した。中型機は787-9を14機発注し、ANAが発注した787は合計80機(787-8が36機、787-9が44機)にのぼり、世界最多となった。
小型機はA321neoを23機、A320neoを7機発注。エンジンはいずれも米プラット・アンド・ホイットニー製PW1100G-JMを選定した。既存の737-500とA320従来型機を置き換える。
777-9Xは開発中の機体で、現行の777-300ERよりやや大型化する。メーカー標準の座席数は400席超を計画しており、航続距離は8200海里(1万5185キロメートル)。GEアビエーション社製GE9X-105エンジンや複合材を使用した高効率新型主翼など、数多くの最新技術を採用し、生産開始は2017年、ローンチカスタマーへの初号機引き渡しは2020年を予定している。
A320neoとA321neoは、A320とA321のエンジン換装型。新型エンジンと翼端のシャークレットにより、燃費が15%向上する。A320neoは今年10-12月期(第4四半期)に初飛行し、ローンチカスタマーへの初号機の引き渡しは2015年10-12月期、A321neoの初号機引き渡しは2016年からとなる見通し。メーカー標準の座席数は、A320neoが1クラスで180席、A321neoが1クラスで220席。
PW1100G-JMはP&Wのほか財団法人日本航空機エンジン協会(JAEC)と独MTUアエロエンジンズによる国際共同事業で、JAECには三菱重工業(7011)と川崎重工業(7012)、IHI(7013)が参画。JAECが全体の23%を担当している。
機体価格は、カタログ価格で777-9Xが20機で約7920億円、777-300ERが6機で約2020億円、787-9が14機で約3670億円、A321neoが23機で2910億円、A320neoが7機で750億円となる。
受領時期は777-9Xが2021年度から2027年度、777-300ERが2018年度から2019年度、787-9が2017年度から2021年度、A321neoが2017年度から2023年度、A320neoが2016年度から2018年度となっている。
ANAHDでは、2020年の東京五輪や、需要が拡大するアジアからの訪日需要の取り込みを図る。
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