バニラエア(VNL/JW)が7月1日に新設した成田-奄美大島線の初便となるJW821便が午後1時9分、奄美大島空港に着陸した。初便の機材はエアバスA320型機(登録番号JA01VA、180席)。
JW821便の乗客は166人で、搭乗率は92.2%。定刻の午後0時55分より14分遅れで到着し、放水アーチで出迎えられた。到着後、乗客に奄美の紬(つむぎ)美人らが黒糖でできたレイをプレゼントした。
折り返しのJW822便は乗客55人を乗せ、午後2時7分に成田へ出発した。搭乗率は30.6%だった。
JW821便で奄美入りしたVNLの石井知祥社長は、「すごくうれしい。立ち上げから4カ月での就航で、奄美市長をはじめ地元の皆さんの熱意が伝わる。予約状況も順調で、手応えを感じている」と地元の人々の支援に感謝した。「黄色い機体が奄美に映える」と、就航への手応えを感じていた。
関東での需要について石井社長は「搭乗率は80%を目指す。爆発的ではないが、潜在的な需要がある」とし、スポーツ合宿やサーフィン、釣りなどのレジャーなどでの利用を見込んでいる。
「奄美・成田・バニラ。3つのキーワードでプロモーションし、奄美と一緒にVNLも成長したい。関東在住の奄美出身者は約20万人。その人たちの足として使ってもらいたいし、ツアーなどに組み込んで観光需要を掘り起こしたい」と今後に期待していた。
6月にはパイロット不足で154便が欠航したVNL。今後について石井社長は「ご迷惑をおかけした。7月以降はきちんと運航する。下期に向けて採用も強化している」と経営に責任を持った。
成田に向かう男性は「徳之島から来た。これまでは鹿児島経由で東京へ行っていた。乗り継ぎ時間も短いし、これからは奄美経由で行こうと思う」と、利便性の向上を喜んでいた。
VNLは海外と国内の路線数を、将来的には7対3にしたいとしている。現在は国際線が2路線、国内線は今回の奄美線を含む3路線を展開。今後の就航地として同社は、グアムやサイパン、フィリピン、香港、中国を候補に挙げている。石井社長は奄美大島線の次の就航地は未定としながらも、「近場のアジアを視野に入れている」と述べた。
奄美大島へ国内のLCC(低コスト航空会社)が就航するのは初めてで、4月に入り創設された国と県が負担する総額約27億円の奄美群島振興交付金を活用する。成田-奄美大島線は1日1往復で、機材はA320(166席/180席)。
運航スケジュール
7月1日から8月30日
JW821 成田(10:30)→奄美大島(12:55)
JW822 奄美大島(14:10)→成田(16:30)
9月1日から9月30日
JW821 成田(14:50)→奄美大島(17:15)
JW822 奄美大島(17:55)→成田(21:15)
10月1日から10月25日
JW821 成田(08:15)→奄美大島(10:55)
JW822 奄美大島(11:30)→成田(13:40)
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バニラ・エア
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