全日本空輸(ANA/NH)は、世界初となるボーイング787型機の重整備(Cチェック)を羽田空港の格納庫で実施している。
重整備はおおむね1年半から2年ごとに行われる整備で、自動車の車検に例えられる。機体の配管や配線、エンジンなどの内部構造点検、着陸装置の交換などが作業の中心になる。
*通常デザインへの再塗装のため伊丹へ(関連記事)。
787にとって世界最初の重整備を受けている機体は、ANAの787-8初号機(登録番号JA801A)。2011年9月に同社が受領した機体で、2号機(JA802A)とともに特別塗装が施されている。今回は6月10日から7月3日までの工期で、重整備やその他の改修作業が進められている。
使用する格納庫は、787の前脚と主脚部分の床が下がる構造になっている。脚部の交換作業を進める際、胴体を持ち上げる必要がないため、胴体側の整備も並行して進められる構造になっている。
ANA整備センターの機体事業室ドック整備部整備第三課所属の浅井祐樹整備士は、777の整備を経て、2012年から787を担当している。
787の日常の整備について浅井さんは、「777などと比べてコンピューター制御の部分が増えたことで既存機と勝手が違う反面、整備に活用できる情報も増えました」と話し、データ分析による不具合探求が、整備に役立つことが多いという。
今年で整備士8年目の浅井さんは、787の領収検査にも立ち会っている。最近の機体は初期のものと比べて、かつて受領後に施していた改修が、製造段階から反映されているなど仕上がりの向上が見られるそうだ。
ANAの787は現在28機で、今夏には長胴型となる787-9の初号機受領が控えている。エンジンはいずれも英ロールス・ロイス製トレント1000を搭載する。
重整備を終えたJA801Aは、7月4日から運航復帰が予定されている。(以下写真17枚)
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