エアライン, 官公庁 — 2014年6月27日 21:25 JST

パイロットの定年、引き上げ考慮 国交省で検討委

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 国土交通省航空局(JCAB)は6月27日、パイロットの育成や政策を決定する「第6回 乗員政策等検討合同小委員会」(委員長・鈴木真二東京大学大学院工学系研究科教授)を開き、パイロット不足問題などについて協議した。

検討委に出席する委員=6月27日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 委員会で示したとりまとめ案によると、パイロットの定年を現在の65歳未満から引き上げることについて、医学的適正や技能面での影響を考慮しつつ検討し、今年度中に一定の結論を得て必要な措置を講じるべき、とした。2004年の引き上げ以来、乗務員の機能喪失などの問題は生じていない。

 5月に開催した第5回の委員会では引き上げ案が出されたが、JCABは「国際的に65歳なので、これに倣いたい」と難色を示していた。

 現在、航空大学校や一部の私立大学で、パイロットを養成している。船員は海洋大学で、医師は医学部で育成していることを例に挙げた委員は、国公立大学でもパイロットの養成機関を設置する見解を示した。海外では軍出身のパイロットが、国によっては50%近くいる。日本の場合、自衛隊出身者は6%程度で、国の補助によるパイロット育成を求めた。

 また、国内では高齢パイロットが多い反面、30代以下が少ない。JCABは「航空会社は積極的に採用し、若い人々にはチャンスが拡大している」と、委員に状況を説明した。

 パイロット不足の現状について鈴木委員長は「数を増やすことも重要だが、質の維持も重要だ」とし、協議を締めくくった。

 協議の結果は委員長とJCABでとりまとめた上、技術・安全部会に後日報告する予定。

関連リンク
国土交通省

定年延長や外国人機長の要件議論 国交省で検討委員会(14年5月21日)