ルフトハンザ ドイツ航空(DLH)は6月12日、フルフラットタイプの新ビジネスクラスシートを都内で公開した。
新ビジネスクラスは、2012年5月から導入を開始。日本路線では、エアバスA340-600型機で運航する羽田-ミュンヘン線(LH715/714便)と、A340-300で運航する中部-フランクフルト線(LH737/736便)に、どちらも今年3月から順次導入している。
従来10.4インチだったモニターは15インチに大型化。シートポジションにより、角度も変えられる機構を採用した。シートはベッドとして使用する水平状態で長さ1.98メートルになる。また、隣り合う席をV字型に傾けて配置し、肩の位置で隣席との距離を比較すると従来比2倍になり、プライバシーを確保。製造はB/Eエアロスペース社で、5社の中から選定した。
4年間の開発期間に、3000人以上の利用者の意見を取り入れながら開発。シートの固さを調節する機能を採用して座り心地にこだわったほか、睡眠時の快適性も考慮している。また、足もとに手荷物を置くスペースを用意し、アームレストもベッドとして使用する際は収納できるようにするなど、使い勝手を向上させた。テーブルや機内エンターテインメント(IFE)のリモコン、メガネ収納ケースはセンターコンソールに用意している。
色調はこれまで青が基調だったが、ファーストクラスと同じくグレーや茶色といった自然な色合いを採用した。ノイズキャンセリングヘッドフォンはゼンハイザー製で、今後は順次ボーズ製に置き換えていく。
ルフトハンザグループ内でも、スイス インターナショナルエアラインズ(SWR/LX)とオーストリア航空(AUA/OS)はスタッガードタイプだが、DLHの新シートはオーソドックスなタイプ。両タイプを検討したが、ドイツではオープンなタイプが好まれたという。
5月末時点での装備状況は、対象となる110機のうち38機に取付済み。引き渡し開始時から新シートを装備しているボーイング747-8型機は13機全機が取付済みで、20機ある747-400はこれから作業を開始する。
エアバスA380型機は12機中3機が取付済みで、A340-600は24機中3機、A340-300は22機中8機、A330-300は19機中11機が取付済みとなっている。
配列は2-2-2で、747-8はいずれも隣り合う席がV字型のV-V-V配列、A380やA340、A330は中央のみV字型で左右の窓側2組は通常の向きになるH-V-H配列を採用している。
日本路線については、羽田-ミュンヘン線と中部-フランクフルト線は7月からほぼ100%新シートになる。10月末の冬ダイヤからは、成田-フランクフルト線(LH711/710便)と関西-フランクフルト線(LH741/740便)でも提供開始を予定しており、すべての日本路線への導入を目指す。現在のロードファクター(座席利用率)は平均85%程度。ビジネスクラスは、これを上回ることも多いという。
また、DLHでは今冬からプレミアムエコノミークラスの導入を予定している。
関連リンク
ルフトハンザ ドイツ航空
・ルフトハンザ、新ビジネスクラス体験会 六本木と名古屋で(14年6月4日)
・ルフトハンザ、プレミアムエコノミー導入 747-8に12月から(14年5月24日)
・ルフトハンザ、プレミアムエコノミー導入 11月から35年ぶり新クラス(14年3月17日)