エアバスは現地時間6月11日、エミレーツ航空(UAE/EK)がA350 XWBの発注全70機をキャンセルしたと発表した。今後の運航機材の見直しに伴うもの。
UAEは2007年、A350-900を50機、A350-1000を20機の計70機発注。2019年から引き渡しが始まる予定だった。現在のカタログ価格で、総額約220億ドル(約2兆2220億円)にのぼる。
昨年11月のドバイ航空ショーで、UAEはA380を50機追加発注。機材構成の見直しの一環として、A350をキャンセルした。
エアバスでは「A350の発注は今年、成長を続けると予想している」との声明を発表。今後数カ月で型式証明を取得できる見通しだとして、A350に対する自信を表明した。
また、A350用のエンジン、トレントXWBシリーズを独占供給するロールス・ロイスは「この決定に失望している」との声明を発表するとともに、UAEとの協力関係を維持する意向を示した。
A350 XWBシリーズは3機種で構成。座席数はメーカー標準の3クラス仕様でA350-800が276席、A350-900が315席、A350-1000が369席。今年7月-9月期(第3四半期)に型式証明を取得し、カタール航空(QTR/QR)への量産初号機の引き渡しは、10-12月期(第4四半期)を予定している。
A350の受注機数は、5月末時点のUAEによるキャンセル前のもので、A350-800が34機、A350-900が589機、A350-1000が189機の計812機。
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