6月5日に起きたシステム障害の原因について、日本航空(JAL/JL、9201)は6月9日、プログラムの潜在的な不具合によるものだったことを明らかにした。
このトラブルは5日午前、貨物の搭載計画や機体の重量重心計算などを担う重量管理システムで発生。機材繰りによる翌日の4便を含む178便が欠航し、5日は約1万4000人に影響が出た。
システムは今年1月に導入したもので、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH)の子会社ルフトハンザシステム製。プログラムの不具合により、不要になったデータが滞留したことで障害が発生した。9日都内で会見したJALの植木義晴社長は、「修正プログラムを入手して改修する。作業が終わるまではデータの滞留状況を監視していく」と述べ、再発防止に努めるとした。
また、2013年10月から今年5月にかけて、JALが整備を委託する子会社のJALエンジニアリング(JALEC)で整備ミスが16件発覚した件については、「運航の安全に直接結びつかなかったが、連続してヒューマンエラーが発生したことを重く受け止めている」(植木社長)と述べた。
ヒューマンエラーが連続した背景として、JALではコミュニケーション不足を挙げており、5月19日から23日までの5日間、緊急性のある作業を除いて整備作業を中断し、作業手順の見直しなど再発防止策を検討するミーティングを開いた。
世代間格差をはじめ、JALEC内でもエンジン整備の部署から機体整備へ、成田から羽田への異動といった、整備士が持つバックグランドの差異が、コミュニケーション不足につながっていたという。
JALでは今後、コミュニケーション不足に陥りやすかった部分について、会社側が意図的にコミュニケーションを取る機会を設けることで、改善を図るとしている。
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日本航空
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