エアバス, 企業, 機体 — 2014年4月28日 19:23 JST

IHI、A320neo向けエンジンの新工場建設へ PW1100G用部品生産

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 IHI(7013)が航空機エンジンの基幹部品を生産する施設を、福島県の相馬工場などに建設すると、4月27日付の日本経済新聞が報じた。

A320neo向けエンジン「PW1100G-JM」(エアバス提供)

 IHIによると、エアバスA320neoシリーズ向けエンジンの米プラット・アンド・ホイットニー社製「PurePower PW1100G-JM」のタービンブレードなどを、相馬工場に新設する施設で製造する。延床面積は約6000平方メートルで、2015年3月着工、2016年春の稼働を計画している。

 JAXA(宇宙開発事業団)のイプシロンロケットなどを手掛ける、子会社のIHIエアロスペースの富岡事業所でも、延床面積約5000平方メートルの新施設を整備。ロケットで培った軽量化技術を用いて、PW1100Gのファンケースを増産する。

 IHIでは2014年度から2017年度までの3年間に、航空機エンジン分野に対して、これらの新施設を含めて合計約300億円を投資する。

 PW1100Gは、エンジンのファンを低圧コンプレッサーとタービンとは異なる速度で動作させることができるギア・システムを採用しているのが特徴。このシステムと新設計のエンジン・コアを組み合わせることで、燃費と排気、騒音を改善している。

 プラット・アンド・ホイットニー社のバイス・プレジデントのアンドリュー・タナー氏は2013年10月、Aviation Wireの単独インタビューの中で、PW1100Gは整備費や燃料費など運航コストを、従来型エンジンと比較して年間150万ドル相当削減できると述べている。

関連リンク
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