ボーイング787-9型機のローンチカスタマーであるニュージーランド航空(ANZ)の初号機(登録番号ZK-NZE)が現地時間4月5日午後9時(日本時間4月6日午後1時)すぎ、米ワシントン州シアトルのエバレット工場でロールアウトした。
ANZは787-9を10機発注済み。初号機は昨年発表した2種類の新機体デザインのうち、特別塗装と位置づけられた黒を基調としたデザインが施された。
成田路線には11月に就航予定の787-9。ANZの最高運航責任者であるデビッド・モーガン機長に、787-9について聞いた。
──初めてこの機体を見た感想は。
モーガン氏:とても誇りに思い、とても感動しています。今日この場で、特別塗装のオールブラック版新デザインの787-9、尾翼デザイン、シダの葉をモチーフにしたシルバーの模様をこの目で見ることができ、とてもうれしく思います。
──日本人にとって、787はバッテリートラブルにより、あまり良いイメージを持っていない。
モーガン氏:787は今や100機以上が世界中で運航されており、ほとんど問題なく飛行しています。787-9は、旧型機から学んだことを生かして開発されているので、私はその安全性に確信を持っています。もちろん、多岐に渡るフライトテストも実施しています。
新しい機材では、最初は色々と問題が見つかります。15年前に登場した777のほうが、当初はもっと問題が多かったと記憶しています。
──787-9のローンチカスタマーとして、薦めたい点は。
モーガン氏:787-9は燃料効率や操縦のしやすさ、従来機よりも15%から20%コスト削減できる点は、我々のビジネスにとっても、そしてサステナビリティ(持続可能性)の観点からも、すばらしいと考えています。
この飛行機は環境にやさしい「グリーン・エアプレーン」です。お客様にとっても、静かで、揺れの少ない静かな運航、エルゴノミクス(人間工学)を考慮し客室内の気圧高度が低く調整されており、快適に過ごせる点などをお薦めできます。
──現在ANZは787-9を10機発注しているが、追加発注は考えているか。
モーガン氏:現在、あと5機追加するオプションを検討しています。ただ、今年はとても忙しい年で、年内に2機の777、3機の787-9が引き渡され、来年後半にはさらに2機の787-9も引き渡されます。
我々は規模の拡大を続けていますが、急成長は望んでいないので、今後の導入には熟慮が必要です。
──日本人にニュージーランドの良いところを教えてほしい。
モーガン氏:我々はクリーン、いわば100%ピュアな国です。我々ニュージーランド人はとてもフレンドリーで、そんなに日本から遠くない、寝ているうちに着いてしまう距離です。
今後、この787-9も導入されることですし、より多くの日本の方にお越しいただけるよう、お待ちしています。
*ロールアウトの様子や同機の仕様についてはこちら。
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ニュージーランド航空
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