ジャンボの愛称で親しまれた全日本空輸(ANA)のボーイング747-400D型機が3月31日、最後の運航を終え退役した。ラストフライト復路となった那覇発羽田行きNH126便は、定刻より24分遅れて午後0時59分に那覇空港32番スポットを出発し、30分遅れの午後3時30分に羽田空港408番スポットに到着した。
使用された機体(登録番号JA8961)は1993年4月13日製造。元日の初日の出フライトや1月12日の伊丹へのフライト、3月15日に宮城県と福島県在住の小学6年生らを招待した仙台と福島の「ボーイング747-400卒業フライト」と、今年に入りイベントで重用されてきた機体。ANAによるジャンボ最後のチャーターフライトとなった16日の成田-熊本便、30日の福岡と札幌最終便も同機が担当した。
ラストとなったNH126便は満席。乗客569人(うち幼児4人)と乗員17人(運航乗務員2人、客室乗務員15人)を乗せた同便は、羽田で消防車の放水アーチに出迎えられ、虹をくぐり35年のジャンボの歴史に幕を下ろした。
コックピット左席(PIC)はB747-400部長の藤村弘機長、右席には往路NH127便でPICを務め今日で退職する神田丈司機長が座り、チーフパーサーは千葉陽子CAが担当。客室乗務員は往路と復路ともに747-400就航当時の8代目制服を着用した。
羽田へ到着後、ANAの篠辺修社長に藤村機長がJA8961の飛行記録を手渡し、最終便の運航終了を報告した。
篠辺社長は「どこから見ても747とわかる。お客様だけではなく、35年間747の運航に携わった乗務員や整備、グランドスタッフ、あらゆる社員や関係する会社の方々に感謝申し上げたい。今までの経験を生かし、より安心・快適なフライトをお届けしたい」と1978年12月の747SR-100受領以来の歴史を振り返るとともに、今後の抱負を述べた。
藤村機長は「ジャンボに対する熱い思いを次世代の翼に託し、多くの方々に安全で夢のある空間を提供できるようがんばっていきたい」と話した。
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ボーイング747 特設サイト
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