日本航空(JAL、9201)は3月28日、優雅なフォルムから「空の貴婦人」と評されたダグラス(現ボーイング)DC-8-32型機の初号機「富士号」(登録番号JA8001)の機首部分を、羽田の新整備場地区にある同社見学施設「スカイミュージアム」へ移送した。
新整備場地区の格納庫へ移送される富士号=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
旧非常救難訓練センターの一角に保管されていた富士号=14年2月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
富士号は1960年に導入した日本初のジェット旅客機。巡航速度はプロペラ機と比べて300キロ以上速い876キロ、定員もファーストクラス36席、ツーリストクラス68席の計104席と倍以上に増えた。
日本文化を強くアピールしたラウンジも特徴。「空の一流ホテル」を目指し、文化勲章画家の前田青邨氏による装飾画や西陣織のシートカバー、障子、畳風カーペットなどが伝統美を演出している。ギャレー(厨房設備)には高熱オーブンを備え、できたてのおいしさを目指した機内食が提供された。
JALは第1世代のジェット機DC-8を1987年まで51機運航。機長と副操縦士、航空機関士の3人が運航にあたり、長距離路線では天測航法で進路を決めるナビゲーターも乗務していた。
富士号は1974年に引退後は整備訓練に用いられ、1989年からは操縦席からラウンジまでの機首部分を、旧整備場地区の旧非常救難訓練センターの一角に保管。毎年9月に開催される空の日イベントなどで公開されてきた。
同センターの新整備場地区への移転に伴い、富士号の保管は一時危ぶまれたが、社内有志の熱心な呼びかけで存続が決定。スカイミュージアムでの公開が決まった。31日午後からは、スカイミュージアムの見学者向けに公開される。
羽田空港内をトレーラーで移送される富士号=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
羽田空港内をトレーラーで移送される富士号=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
新整備場地区の格納庫へ向かう富士号=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
格納庫へ搬入される富士号=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
格納庫へ搬入される富士号=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
格納庫へ搬入される富士号=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
トレーラーから降ろされる富士号=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仮置きされた富士号=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仮置きされた富士号=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
装飾画や西陣織のシートカバー、障子などが日本の伝統美を演出する富士号のラウンジ=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
西陣織のシートカバーを用いたラウンジ=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
富士号の前部左舷ドア=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
富士号のコックピット=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
富士号のコックピット=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
富士号のスラストレバー=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
富士号の航空機関士席=3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
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