3月1日で就航2周年を迎え、3年目に突入したピーチ・アビエーション(APJ)。国内初のLCC(低コスト航空会社)であると同時に、現在3社ある国内LCCの中では、今のところ唯一の「勝ち組」とされている。
同社初便となる札幌行きが関西空港を出発してから2年を経て、当初2路線だった国内線は現在10路線。国際線も6路線を運航するまでに規模を拡大した。
年間旅客数も、2013年度(13年4月から14年3月)は300万人に達する見通しで、7月からは関西空港に次ぐ第2ハブ(拠点)として、那覇空港にエアバスA320型機(180席)を1機常駐させる。
13年度内の黒字化を目標に掲げるAPJ。2月にシンガポールで開かれた世界各国のLCC首脳が集まる国際会議「ワールド・ローコスト・エアライン・アジア太平洋2014」で、井上慎一CEO(最高経営責任者)に2年間の振り返りと、黒字化の見通しなどを尋ねた。
“格安”に悩む
この2年間を振り返った井上CEOは、「最初は銀行から融資を断られた。そんな状況でも優秀な社員が来てくれたのは予想外だった」と語る。APJは雇用形態が契約社員のため、正社員として務める会社を辞めてまで、同社に来てくれるのかと疑心暗鬼だったという。
しかし井上CEOの予想に反して、優秀な人材が集まったことが現時点での成功につながったと言える。また、関西圏を中心とした固定客が着くのも、想定より早かったことも、成功要因だと指摘した。
反面、悪かった点を尋ねると、「“格安”という言葉の悪いイメージがつきまとった。地元関西では、
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