全日本空輸(ANA/NH)のミラノ発再開初便となったNH208便(ボーイング787-9型機、登録記号JA892A)が、現地時間12月3日午前に羽田へ向け出発した。ANAがミラノへ乗り入れるのは約25年ぶり。同便の出発前にミラノ・マルペンサ空港で記念式典を開き、ANAの井上慎一社長らが乗客にプレゼントを配るなどで謝意を示した。
—記事の概要—
・羽田2タミ発
・井上社長「日伊関係を強くする路線」
羽田2タミ発
羽田-ミラノ線は火曜と木曜、日曜の週3往復で、羽田空港第2ターミナルの国際線施設から深夜帯に出発する。運航スケジュールは、ミラノ行きNH207便が羽田を午前1時5分に出発し、午前8時30分着。折り返しの羽田行きNH208便は午前10時30分にミラノを出発し、翌日午前7時30分に到着する。機材はボーイング787-9型機の3クラス215席仕様(ビジネス48席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー146席)を投入する。
羽田発初便となったNH207便(787-9、JA892A)は、3日午前1時9分に出発。乗客203人(幼児ゼロ)と乗員12人(パイロット4人、客室乗務員8人)を乗せ、約15時間半後の同日午前7時57分にミラノへ到着した。折り返しのミラノ発初便のNH208便は175人(幼児5人含む)が利用し、パイロット3人、客室乗務員9人の計12人が乗務した。出発時に受託手荷物の確認に時間がかかったことから、定刻から42分遅れの午前11時12分に羽田へ向け出発した。羽田には翌4日の午前8時4分に到着する見通し。
井上社長「快適にお連れする」
ミラノ発初便のNH208便が出発したマルペンサ空港ターミナル1のB58ゲート付近で記念式典を開催し、ケーキカットやリボンカットなどで25年ぶりのミラノ復便を祝った。
井上社長は羽田-ミラノ線の開設について「日本とイタリアの両国関係を強くするもの」と説明。同便の羽田着は早朝なことから「着後、1日を最大限に使える」とPRした。また、英国を本拠地とする航空業界調査・格付け会社SKYTRAX(スカイトラックス)から、最高評価の5つ星(5スター)を2013年から11年連続で獲得している事例を紹介し、「今回のフライトでも、快適にお連れする」と現地の人々にアピールした。
式典にはマルペンサ空港を運営するSEA空港公団のルイジ・バットゥエッロCCO(最高商務責任者)、ミラノがあるロンバルディア州のラッファエーレ・カッタネオ副知事、駐イタリア日本大使館の鈴木哲大使が出席した。
カッタネオ副知事は東京への直行便について、「われわれに必要なもの。就航は長年の夢」だったとした上で、「最高の航空会社が実現してくれた」とANAの就航に歓迎の意を表した。鈴木大使は「貿易の活性化につながるのを期待している」と述べた。
羽田へ向かう乗客には搭乗証明書やストラップ、ケーキなどの記念品を、オリジナルデザインのトートバッグに入れてプレゼント。井上社長らが乗客に手渡し、謝意を示した。
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ANAは、関西-ローマ線を1995年12月21日に、関西-フランクフルト-ローマ線を1996年9月8日に、関西-ミラノ-ローマ線を翌9日に開設したが、1998年から翌年にかけて順次運休。関西-フランクフルト-ローマ線が1998年10月25日に、関西-ミラノ-ローマ線が2日後の27日、関西-ローマ線は1999年3月29日に運休した。
羽田-ミラノ線は当初、羽田空港の国際線発着枠が増枠となった2020年夏ダイヤでの就航を計画していた。夏ダイヤ期初の同年3月29日には就航せず、4月20日の開設を予定していたが、新型コロナなどにより就航を延期。4年7カ月遅れでの新設となった。
ANAはミラノ線のほか、羽田-ストックホルム線とイスタンブール線の欧州3路線を順次開設。いずれも2020年夏ダイヤでの就航を計画していたが、ミラノ線と同じく延期となっていた。ストックホルム線は2025年1月31日に、イスタンブール線は2月12日に就航し、いずれも週3往復ずつ運航する。
*写真は16枚。
運航スケジュール
NH207 羽田(01:05)→ミラノ(08:30)運航日:火木日
NH208 ミラノ(10:30)→羽田(翌日07:30)運航日:火木日
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