成田空港でグランドハンドリング(グラハン、地上支援)事業を展開するJBS(東京・千代田区)は10月23日、退職を控えた自衛官を対象としたグラハン業務のインターンを実施したと発表した。自衛隊は精強さを保つため「若年定年制」を採用しており、早い場合は55歳で定年を迎える。JBSによると、自衛官は部隊で大型特殊車両を扱っていることから、グラハン業務へのスキル転用が容易だという。
成田空港で実施したインターンでは、空港に隣接する航空科学博物館の敷地内にある教育施設「空飛ぶ学び舎ラボ」での座学後、空港の制限エリアへ移動。空港内で使う特殊車両「GSE(航空機地上支援車両)」など、グラハン業務を体験してもらった。
JBSは、空飛ぶ学び舎ラボのスタッフを中心に発足。コロナ禍で離職したグラハン経験者を集め、今年3月15日に成田でのグラハン事業へ新規参入した。6月からは、離職したグラハン経験者へのリスキリング(再訓練)プログラムを始め、即戦力としての復職を支援している。
グラハンは成田のほか、全国的に人手不足が深刻化していることから、人員確保を急ぎたい考え。
3月にグラハン新規参入
・グラハン経験者へ復職支援、新会社が“即戦力”プログラム 成田空港で6/1から(24年5月23日)
・成田空港、グラハン会社初誘致 経験者で新会社、人手不足に対応(24年3月19日)
深刻化する航空・空港業界の人手不足
・ANAとJAL、グラハン7資格を相互承認 地方10空港でマーシャリングや牽引など(24年5月14日)
・空港グラハン協会、初の学生向け職場見学会 人手不足解消へ、産学連携深化(24年5月9日)
・全国のグラハン50社、系列の垣根越え「空港グランドハンドリング協会」設立(23年8月25日)
・航空連合、空の仕事の魅力発信サイト「だから、この仕事が好き」(23年8月25日)
・国交省、グラハン・保安検査の契約適正化提言 人手不足解消へ中間とりまとめ(23年8月14日)
・保安検査、空港管理者に主体移行へ 利便と厳格、両立狙う=25年度以降(23年6月26日)
機能強化で人材確保急務
・成田空港、集約新ターミナル「ロングピア型」に 2タミ南側、新駅開業で現駅閉鎖(24年7月3日)
・成田空港、私大就職担当者と情報交換 航空業界への就業意識向上へ(24年9月3日)
・成田空港、人材確保へ私大と関係強化 就職担当者招き情報交換(23年8月28日)
・成田空港、高校教員向け視察会 業界の人材育成・確保急務(23年7月20日)
・成田空港、33社参加の合同説明会 幕張メッセで5/18、中国復便視野に人材確保急務(23年4月27日)
・成田空港新ターミナル、2タミ南側が候補地 段階的に集約、C滑走路新設後(23年3月30日)
・成田空港、幕張メッセで21社合同説明会 2/6開催、グラハン・保安検査(23年2月5日)