エアライン — 2024年10月20日 21:15 JST

ANA、整備ノウハウ外販やファーストクラス展示 国際航空宇宙展

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 一般社団法人日本航空宇宙工業会(SJAC)が主催するJA2024(2024年国際航空宇宙展)が10月16日から19日まで開かれ、国内外から600以上の企業・団体が出展した。航空宇宙防衛分野の製造業が中心のトレードショーだが、航空会社は全日本空輸(ANA/NH)や日本航空(JAL/JL、9201)が出展した。

国際航空宇宙展のANAブース=24年10月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ANAのブースでは、機体整備やエンジン整備、技術支援、DX、アップサイクルなどのほか、国際線ファーストクラス「THE Suite」のモックアップも並び、人気を集めていた。

 ANAによると、国際航空宇宙展への出展は整備部門が担当。通常、こうしたイベントはマーケティング部門が主体になることが多いが、SJAC主催のイベントということもあり、日ごろから重工各社などとのつながりがある整備部門が、他部門と調整して展示内容を決めたという。モックアップは普段のイベントで出展が多い個室タイプのビジネスクラス「The Room」ではなく、展示機会が少ないファーストクラスを選んでみたという。

国際航空宇宙展ANAブースでファーストクラスのモックアップを紹介する客室乗務員=24年10月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

国際航空宇宙展ANAブースの安全教育やKAIZENの展示=24年10月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 整備部門のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進などもアピール。ANAグループは、グループウェア「Google Workspace」を2013年に導入。整備部門では、工数削減やペーパレス化、他部門との連携強化、「見える化」による人的ミスの削減などに活用しており、整備士が内製した専用ポータルサイトの事例などを動画で紹介していた。

 グループで人材育成などを手掛けるANAビジネスソリューションは、整備部門のDX推進や「KAIZEN」活動を研修プログラム化している。整備部門が社外へ事業領域を広げるとなると、MRO(整備・修理・分解点検)のように整備作業そのものを思い浮かべがちだが、こうしたノウハウの外販も進めていきたいという。

 国際航空宇宙展は、1966年に埼玉県の航空自衛隊入間基地で開かれた東京航空宇宙ショーが前身。4年ごとに開かれてきたが、2020年の東京オリンピック開催が決まったことから、前回の第15回は2年前倒しで2018年に開催した。第16回は当初2021年に予定していたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による東京大会延期や感染拡大により2021年は中止とし、2024年に開催すると2020年10月8日に発表された。

*写真は11枚。

国際航空宇宙展ANAブースの整備関連受託事業の展示=24年10月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

国際航空宇宙展ANAブースのアップサイクル関連の展示=24年10月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

国際航空宇宙展ANAブースの環境関連の展示=24年10月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

国際航空宇宙展ANAブースのJAXA向け訓練受託の展示=24年10月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

国際航空宇宙展ANAブースに展示されたファーストクラスのモックアップ=24年10月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

国際航空宇宙展ANAブースに展示されたファーストクラスのモックアップ=24年10月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

国際航空宇宙展ANAブースに展示されたファーストクラスのモックアップ=24年10月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

国際航空宇宙展のANAブース=24年10月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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