ボーイングの2024年7-9月期(第3四半期)実績は、民間機引き渡しが前年同期比11機(10.5%)増の116機で、3四半期ぶりに前年同期を上回った。一方、受注は162機(50.5%)減の159機で、小型機の737 MAXと中型機の787の主力2機種が低調に推移したことが影響した。787は日本航空(JAL/JL、9201)からの受注のみとなった(関連記事)。
—記事の概要—
・引き渡し
・受注
・24年7-9月期 納入と受注
引き渡し
機種別で見ると、引き渡しは737が92機(前年同期は70機)、767が6機(8機)、777が4機(8機)、787は14機(19機)だった。
787の内訳は、標準型の787-8が1機、長胴型の787-9が4機、超長胴型の787-10が9機だった。日本の航空会社には787-9を1機納入し、全日本空輸(ANA/NH)へ引き渡した。
737は92機中90機が737 MAXで、ライアンエア(RYR/FR)やユナイテッド航空(UAL/UA)のほか、厦門(アモイ)航空(CXA/MF)や山東航空(CDG/SC)など中国の航空各社でも導入が進んだ。
受注
受注は737が133機(前年同期は200機)、767がゼロ(ゼロ)、777が16機(1機)、787が10機(120機)だった。
737は133機中131機が737 MAXで、エルアル・イスラエル航空(ELY/LY)やリース各社が発注。このほか、匿名顧客からも受注した。
787は10機すべてが787-9で、いずれもJALから受注。このうち7機のエンジンはGEエアロスペース製GEnx-1Bを選定し、残りの3機は未定となっている。
24年7-9月期 納入と受注(括弧内は前年同期の実績)
納入 737 92(70) 767 6(8) 777 4(8) 787 14(19) 合計 116(105)
受注 737 133(200) 767 0(0) 777 16(1) 787 10(120) 合計 159(321)
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