インバウンド(訪日)需要が旺盛な中、目的地が都市部に偏りがちな点が課題となっている。日本航空(JAL/JL、9201)は、海外発の国際線利用者が日本の国内線を無料で利用できるキャンペーンを始めた。これまでも単発で同様の取り組みはあったが、継続的なサービスとして提供するのは初めてだという。
海外の対象地域からJALの国際線を予約する際、同時に国内線も予約すると無料になる。東京など最初の目的地を訪れた後、地方都市を巡る旅程が追加料金なしで組めるようになり、訪日客に地方へ足を伸ばしてもらう。
訪日客が急増する中、京都など以前から海外での認知度が高い観光地では「オーバーツーリズム(観光公害)」が問題となっている。JALはコロナ前から地方への送客や、各地の特産品を海外へ輸出する取り組みを進めており、今回もこの一環となる。
国内線無料キャンペーンは、米国・カナダ・メキシコを対象に9月10日からスタート。タイが11日、シンガポールが18日、豪州・ニュージーランドが19日、ベトナム・フィリピンが25日、インドネシア・インド・中国(北京、上海、広州、大連、天津)・台湾(台北)が27日から始まり、初回の対象地域がそろった。
対象は今後拡大を予定しており、韓国のように自国の航空会社が日本の地方都市へ直接乗り入れている国にも広げる。
JALは今年1月に、長距離国際線機材を20年ぶりに刷新し、エアバスA350-1000型機が就航。羽田-ニューヨーク線、ダラス・フォートワース線に就航しており、10月24日からは初の欧州路線としてロンドン線に投入する。2027年度からは、7月に追加発注したA350-900を北米・アジア・インドを中心とした国際線に投入するなど、国際線を強化する。
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