日本航空(JAL/JL、9201)は9月5日、エアバスA350-1000型機のエンジン自主点検を終えたことを明らかにした。キャセイパシフィック航空(CPA/CX)の同型機でエンジン部品の不具合が見つかったことを受け、JALは受領済み5機の自主点検を実施し、すべて異常がないことを確認した。
*JALのA350は全機異常なし。記事はこちら。
キャセイが運航するA350-1000のエンジン部品不具合は、現地時間2日未明に香港発チューリッヒ行きCX383便(A350-1000、登録記号B-LXI)で発生。A350のエンジンは航空会社を問わず共通で、JALのA350-1000も同じ英ロールス・ロイス製Trent XWB-97(トレントXWB-97)を搭載している。
JALは国内線で標準型のA350-900(3クラス369席/391席)を15機、長距離国際線で長胴型のA350-1000(4クラス239席)を5機運航中。A350-1000は置き換え対象のボーイング777-300ER型機と同数の13機を発注済みで、今年1月24日に就航し、これまでに5機を受領済み。自主点検は3日に初号機(JA01WJ)、2号機(JA02WJ)、もっとも新しい5号機(JA05WJ)の3機、4日に残り2機の3号機(JA03WJ)と4号機(JA04WJ)の検査が終わった。
A350-900は別のエンジンであるTrent XWB-75を搭載しているが、JALはA350-900も自主点検の対象に含め、4日に10機の検査を終え、5日に残り5機の確認が終了する見通し。
キャセイも全48機のA350を対象に自主点検を実施。A350-1000が18機、A350-900が30機で、部品交換が必要な15機を3日に特定した。日本時間4日夜の時点で6機が修理完了、残り9機も修理を進め、7日までに運航を再開する見通し。
ロールス・ロイスによると、A350-1000向けのTrent XWB-97は、A350-900向けのTrent XWB-84や-75などと比べ、新しい高温タービン技術やより大きなエンジンコア、ファンの空力特性の組み合わせで推力を増加させた。EASA(欧州航空安全庁)の型式証明は、Trent XWB-75、-79、-79B、-84は2013年2月7日の取得だが、Trent XWB-97は4年後の2017年8月31日に取得している。
関連リンク
キャセイパシフィックのエンジン部品故障によるA350型機の検査について(キャセイ)
キャセイパシフィック航空
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