那覇空港で9月1日午後7時前、全日本空輸(ANA/NH)の羽田行きNH474便(ボーイング777-300型機、登録記号JA754A)の機体尾部にあるAPU(補助動力装置)から白い煙のようなものがあがり、空港の消防車などが出動している。
【9月1日21時17分更新】
整備作業を終えたNH474便は、同じ機材で那覇を定刻から2時間33分遅れとなる午後8時57分に出発し、午後9時11分ごろ第1滑走路(RWY36R)を離陸して羽田へ向かった。羽田には定刻より2時間22分遅れの午後11時17分に到着を予定している。
—記事の概要—
・羽田-札幌・那覇に投入
・唯一の500席超え国内線機材
・9/1のJA754A投入便
羽田-札幌・那覇に投入
NH474便は那覇を午後6時25分に33番ゲートから出発し、羽田には午後8時55分に到着する予定だった。ANAのウェブサイトによると、機材整備により出発が遅れているとしており、今後の運航は調整中としている。
当該機のJA754Aは、約26年前の1998年10月に引き渡された機体。1日は羽田午前9時発札幌(新千歳)行きNH55便、折り返しの札幌午前11時30分発羽田行きNH58便、羽田午後2時45分発那覇行きNH475便に投入され、NH474便で羽田へ戻る予定になっている。
このうち、2便目の札幌発羽田行きNH58便は機材整備で出発が遅れ、午後0時7分に出発。羽田には定刻より47分遅れの午後1時52分に到着した。3便目の羽田発那覇行きNH475便は羽田を8分遅れの午後2時53分に出発し、那覇には1分早着となる午後5時19分に到着した。
ANAの777-300は、座席数が2クラス514席で、プレミアムクラス21席、普通席493席。日本の航空会社が運航する国内線機材で、唯一500席を超える座席数を誇る。1998年7月10日に羽田-広島線に就航し、7機導入したが、これまでに2機(JA756A、JA757A)が退役済み。
APUは、空港に駐機中している時などに航空機が使う電力を供給する小型エンジン。運航中の航空機はエンジンに取り付けられた発電機から電力を得ている。
また、後続の那覇午後7時発羽田行きNH476便(777-300、JA752A)は午後7時21分に出発済み。使用機材の到着が遅れたことで、定刻より21分遅れて出発した。
唯一の500席超え国内線機材
国内の航空会社で500席を超える機材は、同じくANAが3機保有する総2階建ての超大型機エアバスA380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」のみで4クラス520席。成田-ホノルル線専用機で、2階席はファーストクラスが8席、ビジネスクラスが56席、プレミアムエコノミーが73席で、1階席はすべてエコノミーで383席となっている。
ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、25年以上運航している777-300に代わる国内線の次世代フラッグシップとして、787-10の国内線仕様機を11機発注済み。今年3月27日に就航し、4号機まで受領している。座席数は2クラス429席で、プレミアムクラス28席、普通席401席となる。
2026年度までに787-10の国内線仕様機をすべて受領する計画だが、ボーイングで787の納入遅延が発生している影響で、初受領が予定していた2023年から遅れるなど、機材更新に影響が出ている。
9/1のJA754A投入便(定刻/実績/出発スポット)
NH55 羽田(09:00/09:08/65)→札幌(10:35/10:45)
NH58 札幌(11:30/12:07/8)→羽田(13:05/13:52)備考:機材整備で出発遅延
NH475 羽田(14:45/14:53/60)→那覇(17:20/17:19)
NH474 那覇(18:25/20:58/33)→羽田(20:55/23:56)備考:機材整備で出発遅延
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