エアバスは現地時間1月2日、A350 XWBの3機目となる試験機(MSN2)が仏トゥールーズの塗装工場を出場したと発表した。胴体中央から尾部にかけて、機体の53%にカーボンファイバー(炭素繊維)の複合材が使用されていることを表す、カーボン模様の特別塗装が施された。
A350の試験機は5機製造され、MSN2は客室を装備する2機のうち1機。今後数週間で飛行試験に加わり、年内に実施される初期長距離飛行「Early Long flights」(ELF)で、エアバスの社員を乗客役として乗せる最初の機体となる見込み。現在は試験機の1機目(MSN1)と2機目(MSN3)の2機で飛行試験を実施している。
エアバスが航空機に複合材を使い始めたのは、1982年2月にロールアウトしたA310から。その後、30年以上経験を段階的に積み上げ、A350の胴体にはエアバス初となる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を採用している。
A350 XWBファミリーは3機種で構成。座席数は標準の3クラス仕様でA350-800が270席、A350-900が314席、A350-1000は350席。A350 XWBを導入することで、同サイズの競合機と比べて燃費と二酸化炭素(CO2)排出量を25%削減できるとしている。
A350の量産初号機は、2014年下半期にカタール航空(QTR)へ引き渡される予定。日本では、日本航空(JAL、9201)がボーイング777型機の後継機として、A350-900とA350-1000を合わせて最大56機導入する。
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