ボーイングのステファニー・ポープ民間航空機部門社長兼CEO(最高経営責任者)は現地時間7月21日午後(日本時間同日夜)、ファンボロー航空ショー開幕前にロンドン市内で会見し、品質問題が起きている737 MAXと787の生産レートを年内に戻すことを明らかにした。737 MAXを中心とした737型機の生産レートを年内に月産38機に、787も5機にそれぞれ戻す。
ポープ氏は今年3月にCOO(最高執行責任者)から昇格。就任以来、従業員から3万件以上の意見が寄せられ、これらを基に安全性と品質向上、予測可能な納入、文化の3つを優先課題として位置づけたという。
「フィードバックの大部分は従業員からのものであり、だからこそ私はこの計画に非常に自信を持っている。従業員のトレーニングや習熟度、スキルの向上への投資を増やすと考えることができ、サプライチェーンと工場全体の欠陥を減らし、生産のコンプライアンスを強化し、安全性と品質文化を高める」と説明した。
増産計画については「私たちは変化を実行するために工場の生産レートを大幅に落としている。737の工場の流れは大幅に改善されており、年末に向けて38機に戻すことを約束している。787も同様で、年末に向けて5機にすることを約束した。安全性と品質に関する取り組みは、すべての工場で行っている」と述べた。
4-6月期の納入実績のうち、737は4月が16機(前年同月18機)、5月が19機(同36機)、6月は35機(同49機)と推移。787は4月が4機(同6機)、5月が2機(同8機)、6月は3機(同6機)だった。
ファンボロー航空ショーは偶数年開催で、22日に開幕。ボーイングは開発中の777Xや737-10(737 MAX 10)の飛行試験機は持ち込まず、F-15QA戦闘機など防衛部門を中心とした展示となる。
20日に発表した民間航空機需要の20年予測では、2043年までに世界で4万3975機が見込まれるとしている。
*22日開幕のファンボロー航空ショーの様子を現地からお伝えします。
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