福岡空港で5月10日午後0時19分ごろ、日本航空(JAL/JL、9201)の羽田行きJL312便(ボーイング787-8型機、登録記号JA847J、定員2クラス291席)が滑走路手前の誘導路上で停止し、JALグループのジェイエア(JAR/XM)が運航する松山行きJL3595便(エンブラエル170型機、登録記号JA214J、1クラス76席)が離陸を中止するトラブルがあった。国土交通省航空局(JCAB)によると、航空法が定める「重大インシデント」には該当しないが、調査を続けているという。
ジェイエアの松山行きJL3595便は、乗客43人(幼児なし)と乗員4人(パイロット2人、客室乗務員2人)の計47人を乗せ、福岡空港の12R番スポット(駐機場)を定刻より3分早い午前11時52分に出発。JALの羽田行きJL312便は、乗客166人(幼児3人含む)と乗員10人(パイロット3人、客室乗務員7人)の計176人を乗せて、7番スポットを9分遅れの午後0時9分に出発した。
松山行きJL3595便が滑走路(RWY16)から離陸するために滑走を始めた後、管制官の指示で離陸を中止。羽田行きJL312便は同じ滑走路の南東側(RWY34)へ向けて地上走行していたとみられ、滑走路手前の誘導路上に停止した。航空局とJALによると、離陸中止時の状況は現在調査中だという。
航空局によると、JL3595便が離陸を中止した時点で、JL312便は滑走路に入っていなかったことを確認したという。このため、ほかの航空機が使用している滑走路で離陸を試みる事象に当てはまらないことから、重大インシデントには該当しないと判断したが、詳しい原因の調査を続けている。
JL3595便は離陸を中止したことから、機体点検と管制への状況確認に時間がかかる可能性が高いとして欠航が決定。同便と同じ機材を使う松山発福岡行きJL3596便、福岡発宮崎行きJL3631便の計3便が欠航し、乗客と予約客合わせて151人に影響が出た。
一方、JL312便は福岡空港の滑走路(RWY34)を午後0時26分に離陸し、羽田には17分遅れの午後1時57分に到着した。
航空機の位置情報を提供するウェブサイト「フライトレーダー24(Flightradar24)」によると、JL312便は午後0時19分(協定世界時午前3時19分)の時点で滑走路手前のE6誘導路上にいたとみられる。E6は滑走路の中間地点よりやや北西側に位置する。JL3595便の離陸中止後、滑走路に一度入り、同21分ごろにE7から誘導路へ戻り、同26分にRWY34から離陸している。航空局によると、両便の位置関係も含めて詳しい調査を進めているという。
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