シンガポール航空(SIA/SQ)系LCCのスクート(TGW/TR)は現地時間5月7日、エンブラエルE190-E2型機を就航させた。シンガポールからタイのリゾート地クラビへ向かうTR684便が初便となった。
スクートはE190-E2の初号機(登録記号9V-THA)に「Explorer3.0」と命名。座席数は1クラス112席で、シートピッチは29インチ(73.6cm)となり、片道最長5時間の短中距離路線に投入を計画している。
航空機リース会社の米アゾーラから全9機をリース導入。2号機はシンガポールへ到着済み、残り7機は2025年末までに段階的に導入を予定している。
リージョナルジェットのE190-E2を、シンガポールと周辺の地方都市を結ぶ路線に投入することで、様々な地域へのネットワーク展開を強化する。すでにスクートが就航しているタイのクラビ、ハートヤイ、マレーシアのクアンタン、ミリに加えて、新たにタイのサムイ島、マレーシアのシブへ運航する。
E190-E2をはじめとするE2シリーズは、エンブラエルが開発した次世代リージョナルジェット機。従来のエンブラエル170(E170)とE175、E190、E195で構成する「Eジェット」(E1)の後継機で、E175-E2とE190-E2、E195-E2の3機種で構成する。新型エンジンや新設計の主翼、主脚の格納した際のドアなどで、燃費を向上させた。1クラス構成の標準座席数は、E175-E2が88-90席、E190-E2が106-114席、E195-E2が132-146席となる。
E2のエンジンは、低燃費と低騒音を特徴とする米プラット&ホイットニー(PW)製GTFエンジンを採用。推力の違いにより、E175-E2がPW1700G、E190-E2とE195-E2がPW1900Gを搭載する。
スクートのE190-E2
・スクート、E190-E2初受領 5/7就航、初便はタイのクラビ(24年4月12日)
・スクート、シンガポール初のE190-E2 24年に初号機、9機リース導入(23年5月23日)
・E190-E2とE195-E2、シンガポール当局から型式証明取得(23年11月17日)
・エンブラエル、スクートと修理サービス締結 E190-E2、24年から導入(23年9月28日)
E190-E2搭乗記
・エンブラエル、E190-E2初のメディアフライト MRJ最大のライバル、ファンボロー開幕前に(18年7月16日)
スペースジェット開発中止で注目の跡目争い
・ANAが契約解除 どうなるスペースジェット跡目争い(23年4月25日)
特集・スペースジェット撤退後の一手
・羽田で最新鋭E195-E2披露も(23年2月12日)
写真特集・エンブラエルE195-E2 日本初公開
・リージョナル機でも全席通路アクセス(19年7月17日)
E2シリーズのセールスポイント
・CAにやさしい手荷物収納棚やシート 特集・エンブラエルE195-E2の機内(20年2月25日)