今年1月に米ポートランドで起きたアラスカ航空(ASA/AS)が運航するボーイング737 MAX 9(737-9、登録記号N704AL)のドアプラグ脱落事故で、NTSB(米国家運輸安全委員会)は現地時間8月6日と7日に公聴会の開催を予定している。
公聴会は事故原因などを究明し、安全性を向上させる勧告を行うために必要な情報を収集するために開催。NTSBの調査官や証人などが出席し、NTSBは公聴会のライブ配信を予定している。
事故は1月5日に米オレゴン州のポートランド国際空港で発生。アラスカ航空のオンタリオ行きAS1282便が離陸直後、後方左側のドアプラグが高度約1万6000フィート(約4876メートル)から脱落した。脱落により機内の急減圧が発生したことから、AS1282便はポートランドへ戻った。乗客171人と乗員6人の計177人に重症者はなかったが、8人が軽傷を負った。
脱落したドアプラグが設置された部位は、航空会社の仕様により非常口ドアとして使用されるところで、アラスカ機の場合は外から見るとドアプラグを確認できるが、客室からは通常の壁と同じように見える。
FAA(米国連邦航空局)は、同型機に対するAD(耐空性改善命令)を現地時間1月18日付で発効。耐空性が確認された機体は、1月26日から定期便の運航に戻っているが、事故前から品質問題が頻発していたボーイングに対し、FAA(米国連邦航空局)が実施した737 MAXの製造工程の監査では、監査項目89件のうち33件が不合格だったなど、問題が長期化している。
FAAはボーイングに対する監視を強化しており、マイケル・ウィテカー長官は品質管理の問題が解決されたとFAAが納得するまでは、ボーイングの増産などを認めない方針で、航空会社への納入遅延が続く可能性が高まっている。
日本国内では、同型機を運航している航空会社はなく、737 MAXを今後導入する社でも737 MAX 9を発注したところはないものの、利用者からは737 MAXやボーイング機に対する不安の声も聞かれている。
関連リンク
National Transportation Safety Board
Federal Aviation Administration
Boeing
ボーイング・ジャパン
FAA監査で不合格多数
・ボーイング、737MAX製造工程で89件中33件不合格 787内部告発者は死亡(24年3月12日)
737 MAX
・アラスカ航空、737MAX9運航再開へ FAAが検査手順承認、ボーイングの監視強化(24年1月25日)
・FAA、737MAXドアプラグ脱落でボーイング監視強化「完全に納得するまで空に戻らない」(24年1月13日)
本邦社のボーイング機発注
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・JAL、737MAXの動向注視 26年導入、FAAの増産承認カギに(24年2月2日)
・ANAの787-10、国内線3月就航へ ボーイング納入遅延、429席の超長胴型(24年1月31日)
・スカイマーク、737MAX「計画通り」不具合で納入影響も(23年11月13日)
・JAL、737MAXを26年から導入 18年ぶりボーイング機発注(23年3月23日)
・スカイマーク、737MAXを正式発注 737-10も(23年1月19日)
・ANA、777X貨物機と737MAX発注 片野坂HD会長「安全性保証されていると確信」(22年7月19日)