機体, 解説・コラム — 2024年3月16日 16:15 JST

エンブラエルE190-E2とE195-E2、ETOPS取得 単発2時間飛行可能に

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 エンブラエルの次世代リージョナルジェット機「E2」シリーズのうち、E190-E2とE195-E2が、ETOPS 120をANAC(ブラジル民間航空国家機関)とFAA(米国連邦航空局)、EASA(欧州航空安全庁)から取得した。エンジンが洋上などで1基停止しても最大120分(2時間)飛行可能になる承認で、航空会社が飛行ルートを柔軟に設定できるようになる。

ETOPS 120を取得したエンブラエルE190-E2=22年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ブラジルのエンブラエルは、リージョナルジェット世界最大手。E2シリーズは双発機で、洋上を長時間飛行する際に必要な航空当局の承認「ETOPS(イートップス)」を取得したことで、より燃費の良いルートを飛行できるという。これまではエンジンが1基不作動になった際の着陸に支障がないよう、陸地沿いなど代替空港に沿ったルートを飛行する必要があった。

 E190-E2は、E2シリーズのうち最初に開発された機体。従来のエンブラエル170(E170)とE175、E190、E195で構成する「Eジェット」(E1)の後継機で、E175-E2とE190-E2、E195-E2の3機種で構成する。

 新型エンジンや新設計の主翼、主脚の格納した際のドアなどで、燃費を向上させた。1クラス構成の標準座席数は、E175-E2が88-90席、E190-E2が106-114席、E195-E2が132-146席となる。エンジンは低燃費と低騒音を特徴とする米プラット&ホイットニー製GTFエンジンを採用しており、推力の違いでE175-E2がPW1700G、E190-E2とE195-E2がPW1900Gを搭載する。

ETOPS 120を取得したエンブラエルE195-E2=19年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 エンブラエルの現地時間3月14日の発表によると、ETOPSの認証を取得するには、運航中の航空機が一定の累積飛行時間に達する必要があるといい、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で世界的に運航便数が減少したことから、当初計画よりも遅くなったという。

 E2の中で最初に開発されたE190-E2は、ノルウェーの地域航空会社ヴィデロー航空(WIF/WF)が2018年4月24日に世界初の定期便運航を開始。E195-E2はブラジル最大の航空会社アズール・ブラジル航空(AZU/AD)がローンチカスタマーで、2019年9月12日に初納入した。

 日本の航空会社でE2の採用を決定した航空会社はないが、Eジェットは日本航空(JAL/JL、9201)グループで地方路線を担うジェイエア(JAR/XM)と、鈴与グループのフジドリームエアラインズ(FDA/JH)が採用している。

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