全日本空輸(ANA/NH)と熊本県、熊本空港を運営する熊本国際空港会社の3者は3月15日、ボーイング777F大型貨物機を熊本空港へ運航すると発表した。29日に成田-熊本間のチャーターを運航し、定期便化を目指す。半導体受託生産の世界最大手である台湾のTSMC(台湾積体電路製造)が熊本県に進出していることから、貨物輸送需要に応える。
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ANAは熊本空港に電子通関システム(NACCS)を2023年10月に導入。半導体輸出を見据えたもので、通関手続きを簡素化が可能になった。今回の777Fのチャーター運航で、初めて熊本でのNACCSを活用した輸入税関業務を行う。また、輸送時の衝撃リスクに配慮した精密機器輸送サービス「PRIO SENSITIVE」を提供する。
運航スケジュールは、熊本行きNH9197便が成田を午後4時50分に出発し、午後7時10分着。成田行きNH9198便が午後8時40分に熊本を出発して、午後10時20分に到着する。
ANAは777Fを2機保有しており、2019年7月から運航。貨物搭載量は最大約100トンで、中型貨物機767Fの約2倍を運べる。大量輸送に加えて、半導体製造装置や航空機エンジンなど大型貨物も運べる。
777F熊本就航
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ANAの貨物事業
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777F
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写真特集・ANA 777Fお披露目
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