全日本空輸(ANA/NH)などを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は2月20日、羽田空港ランプ内の運転免許試験でグループ2社が不正を行っていたと発表した。2社が実施したオンライン試験で、社員が教本を参照して回答する不正が発覚し、国土交通省へ報告した。同省の担当者が監督する試験で再受験し、合格した従業員は運転業務に従事しているという。
不正が発覚したのは、ANA本体と、旅客サービスやグランドハンドリングなどを担うANAエアポートサービス(ANAAS)の2社。ANAでは、2022年8月から今年2月までに実施されたオンライン試験で、受験時に教本の閲覧を許可されていると誤認識し不正が行われ、受験者6人と監督者2人が関与した。ANAASでは、2023年2月から12月末までに実施されたオンライン試験で、一部の試験監督が受験者に対して教本閲覧を認める案内をしていた。受験者72人と監督者2人が関わった。
ANAHDは、ANAとANAASともに100%出資。ANAHDは「このような事象を発生させたことを深くお詫び申し上げます。皆様の信頼を回復できるよう適切な受験を徹底してまいります」とコメントし、陳謝した。
羽田空港のランプ内免許試験では、日本航空(JAL/JL、9201)もグループ2社でオンライン試験の際、社員が教本を参照して回答する不正が発覚している。空港のランプ内で車両を運転する場合、運転免許証に加えてランプ内の免許が必要になる。
関連リンク
全日本空輸
ANAエアポートサービス
・ANA沖縄空港も構内免許試験で不正 グループ3社に(24年3月5日)
・JALグループ、羽田の運転免許オンライン試験で不正行為 JALスカイとJRC(24年2月20日)