FAA(米国連邦航空局)は、アラスカ航空(ASA/AS)が運航するボーイング737 MAX 9(737-9、登録記号N704AL)のドアプラグが離陸直後に脱落した事故を受け、同型機に対するAD(耐空性改善命令)を現地時間1月18日付で発効した。是正措置が実施されるまで、該当する機体の飛行禁止が続く。
事故は現地時間5日に、米オレゴン州のポートランド国際空港で発生。アラスカ航空のオンタリオ行きAS1282便が離陸直後、後方左側のドアプラグが脱落した。乗客171人と乗員6人の計177人はポートランドへ無事戻り、重症者はなかった。航空会社の仕様により非常口ドアとして使用されるもので、アラスカ機の場合は外から見るとドアプラグを確認できるが、客室からは通常の壁と同じように見える。
FAAは、翌6日に約171機の737 MAX 9に対し、運航停止を命令。緊急耐空性改善命令(EAD:Emergency Airworthiness Directive)を同日発行し、8日に承認した。12日に発行され、18日に発効したADはこのEADの内容を踏襲しており、客室中央部のドアプラグが飛行中に脱落する事態に対処するもの。この事態に対処しない場合、機体が制御不能に陥る危険性を指摘している。
製造元のボーイングに対し、FAAは生産・製造に対する監視を強化する重要措置を12日に発表。サプライヤーの米スピリット・エアロシステムズも含めて監視を強化し、ボーイングへの権限移譲と品質管理の安全リスク評価などを進めていく。
日本国内では、同型機を運航している航空会社はなく、737 MAXを今後導入する社でも737 MAX 9を発注したところはない。
関連リンク
Federal Aviation Administration
National Transportation Safety Board
Boeing
ボーイング・ジャパン
Alaska Airlines
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