航空大学校の卒業生が起業したビジネスジェット(BJ)チャーター会社マイクロジェット(東京・新宿)は1月8日、ペット同伴モニターフライトを月内に実施すると発表した。17日から20日のいずれか1日で、抽選で3組まで招待する。
2日に起きた羽田空港の事故を受け、ペットと客室で一緒に過ごす空の旅に注目が集まる中、マイクロジェットは法人向けでは「ビジネスジェット」、個人向けでは「プライベートジェット」と呼ばれる小型ジェット機を使ったチャーターフライトの存在を知ってもらうきっかけにと、モニターフライトの招待を企画した。
今回搭乗できるのは、乗客2人とペット1匹で出発地と到着地が同一の「遊覧フライト」になる。航大を2021年に卒業し同社を起業した高橋良社長は「愛犬猫家の新たな選択肢として認知されれば」と話している。
マイクロジェットの機材は、双発ジェット機セスナ510型サイテーション ムスタング(登録記号JA123F)で、乗客数は最大4人。同社のX(旧Twitter)アカウントをフォローし、ペット同伴モニターフライト募集概要の投稿をリポスト(旧リツイート)して、ペットの写真と希望の空港、日程をDM(ダイレクトメッセージ)で送る。
7日午後1時半すぎにXで告知を開始し、投稿への「いいね」が1万件に達したら実施するとしていたが、約12時間後の8日午前1時ごろに達成した。
羽田-札幌(新千歳)間を1泊2日の旅程で往復すると、マイクロジェットの法人契約時の税込運賃は往復289万800円、片道146万4100円。大手航空会社系のチャーター会社では、小型ビジネスジェット機「HondaJet(ホンダジェット)」利用時に同旅程で往復約400万円強となり、3割程度安い運賃になる。ビジネスジェットのチャーターは、使用機材や旅程などで運賃が大きく変動する。マイクロジェットによると、個人利用の場合は同社が契約している旅行代理店に相談して欲しいという。
ビジネスジェットやプライベートジェットは、政府や企業、富裕層などの利用のほか、患者の救急搬送や旅客便では搭乗を断られる病気にかかった人の移動など、さまざまな用途に用いられている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響下では、定期便がない空港へも乗り入れられるため、法人需要のほか個人の利用も増えた。
マイクロジェットは、ビジネスジェットの運賃をこれまでよりも安価に提供することを目指し、2023年1月23日に設立。会長はスカイマーク(SKY/BC、9204)元社長の西久保愼一氏が務め、国土交通省から「航空運送事業の許可(AOC)」を8月3日付で取得し、10月から事業を始めた。
関連リンク
ペット同伴モニターフライト募集概要(マイクロジェットのX)
マイクロジェットのX
マイクロジェット
マイクロジェット
・プライベート機でペット同伴フライト招待へ BJ新興マイクロジェットが企画(24年1月7日)
・航大卒業生のマイクロジェット、ビジネスジェット事業開始 元SKY西久保氏が会長(23年10月10日)
・BJ新興のマイクロジェット、国交省からAOC取得 会長は西久保スカイマーク元社長(23年8月4日)
ペット
・ペット同乗便の緊急脱出「持って行けない」手荷物と同ルール適用(24年1月4日)
・スターフライヤー、ペット同伴サービス国内全路線に拡大(23年12月1日)
・飼い主と離れるストレスも 特集・ペットとの旅の注意点(22年4月6日)
・「機内も一緒で安心」スターフライヤー、ペット同伴検証フライト(21年10月3日)
・JAL、愛犬と機内も一緒「ワンワンJET」成田-鹿児島チャーター(17年1月28日)
・機内もワンちゃんと一緒 ANAがチャーター「ワンワンフライト」(16年5月20日)