日本航空(JAL/JL、9201)が2024年1月に就航させる新フラッグシップとなる長距離国際線機材エアバスA350-1000型機。写真特集第3回となる前回はビジネスクラスを取り上げた。今回はリクライニングする前から快適に過ごせることを目指し、個人用モニターは約1.3倍に大型化し4K対応13インチとなったエコノミークラスを取り上げる。
13インチの4Kモニターを備えるJAL A350-1000初号機のエコノミークラス=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
JALのA350-1000は4クラス239席で、ファーストクラスが6席(1列1-1-1席)、ビジネスクラスが54席(同1-2-1席)、プレミアムエコノミーが24席(同2-4-2席)、エコノミーが155席(同3-3-3席)の「X35」と呼ばれる座席配置になる。エコノミーはリクライニングせず、そのまま着座しても快適に過ごせるよう、背もたれの角度などを工夫し、シートピッチは約84-86センチ(33‐34インチ)、座席幅は約46センチ(18インチ)と、既存のシートと同様に足もとの広さを維持した。
トゥールーズで報道関係者に初公開されたJALのA350-1000初号機のエコノミークラス=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
13インチの4Kモニターを備えるJAL A350-1000初号機のエコノミークラス=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
「特に日本人のお客さまは、座席をリクライニングすることを躊躇される場合があります」と、客室仕様を手掛けたJAL商品・サービス開発部商品・サービス企画グループの西垣淳太プロジェクトマネジャーは外国人客と比べ、後ろ席への配慮からリクライニングすることをためらう日本人客を念頭に快適性を考えたという。ヘッドレストは高さを調整できるものになっている。
イヤホンジャックはひじ掛けに設置。個人用モニターの下に設けられたシートが多いが、窓側や中央の乗客が通路に出にくいため、ひじ掛けにしたという。また、ピクトグラム(絵文字)でどちらの座席の人が使うものかもわかりやすくした。
トゥールーズで報道関係者に初公開されたJALのA350-1000初号機のエコノミークラスのひじ掛けに描かれたイヤホンジャックのピクトグラム=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
電源コンセントとType-A/Cの充電用USB端子も備え、テーブルは機内食のトレーを置いても余裕があるサイズにした。また、テーブルを出さずにパーソナルスペースを広く使えるよう、カップホルダーも備えた。シートポケットはペットボトルを収納できるようにしてあり、足もとはカバンが収まるようにした。
14インチのMacBook Proをテーブルに置きリクライニングしたJAL A350-1000初号機のエコノミークラス=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
JAL A350-1000のシートマップ(同社提供)
内装は2019年に就航した国内線機材のA350-900と同じく英タンジェリン(tangerine)社が監修。日本の伝統美を意識したデザインで、上質な客室を目指すとともに、訪日客の利用を意識し、国際線から国内線に乗り継いだ際に、連続性のある空間に仕上げた。エコノミーのシートは、独レカロ製を採用した。
JALはA350-1000を2024年1月24日に1路線目の羽田-ニューヨーク線に就航させる予定。今年度内は初号機を含め3機受領する見通し。
本写真特集では、トゥールーズ出発前に撮影したエコノミーの写真を中心にまとめた。
*写真は23枚。
トゥールーズで報道関係者に初公開されたJALのA350-1000初号機のエコノミークラス=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
13インチの4Kモニターを備えるJAL A350-1000初号機のエコノミークラス=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
トゥールーズで報道関係者に初公開されたJALのA350-1000初号機のエコノミークラス=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
リクライニングしたJALのA350-1000初号機のエコノミークラス=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
JALのA350-1000初号機のエコノミークラスのヘッドレスト=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
JAL A350-1000初号機のエコノミークラスの折りたたんだ状態のテーブル=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
トゥールーズで初公開されたJAL A350-1000初号機のエコノミークラスのテーブル=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
JAL A350-1000初号機のエコノミークラスのテーブル=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
トゥールーズで報道関係者に初公開されたJALのA350-1000初号機のエコノミークラスの充電用Type-C(右から2つ目)とType-A端子(右)=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
トゥールーズで報道関係者に初公開されたJALのA350-1000初号機のエコノミークラスの充電用Type-C(右から2つ目)とType-A端子(右)=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
トゥールーズで報道関係者に初公開されたJALのA350-1000初号機のエコノミークラスの電源コンセントとシートポケット=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
トゥールーズで報道関係者に初公開されたJALのA350-1000初号機のエコノミークラスの電源コンセント=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
トゥールーズで報道関係者に初公開されたJALのA350-1000初号機のエコノミークラスの電源コンセントとシートポケット=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
トゥールーズで報道関係者に初公開されたJALのA350-1000初号機のエコノミークラスのひじ掛け=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
トゥールーズで報道関係者に初公開されたJALのA350-1000初号機のエコノミークラスのひじ掛けに描かれたイヤホンジャックのピクトグラム=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
トゥールーズで報道関係者に初公開されたJALのA350-1000初号機のエコノミークラスのひじ掛けに描かれたイヤホンジャックのピクトグラム=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
4Kモニターを備えるJAL A350-1000初号機のエコノミークラス=23年12月13日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
トゥールーズを出発するJALのA350-1000初号機フェリーフライト羽田行きJL8102便=23年12月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
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A350-1000
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