国土交通省は11月26日、羽田空港国内線の発着枠を石見と鳥取、山形の3空港に1日1枠(往復分)ずつ配分すると発表した。地方自治体と航空会社が共同で地方路線の利用者を増やすアイデアを出し合い、優れた提案に配分する「コンテスト枠」1日3枠の配分。
コンテストでは、3空港に佐賀を加えた4空港が案を提出。有識者会議「羽田発着枠政策コンテストの評価等に関する懇談会」が、需要開拓に向けた施策など26項目の評価基準に基づいて評価を行い、同懇談会の評価を踏まえて国交省が対象路線を決定した。
有識者6人の採点の結果、現在の1日1往復を2往復化することによる観光振興や、航空会社と地元とのリスク分担を掲げた石見が最多得点を獲得。山形、鳥取と続き、佐賀が落選した。
1位となった石見について、有識者は航空便の重要性が高く、増便効果が大きいと評価。反面、県内に3空港(石見・出雲・隠岐)を持つ島根県の空港政策の全体像が語られていないとの指摘があった。
2位の山形は、新幹線との競争が残ることで運賃やサービスの競争が生じ、利用者の利便性向上につながる点や、1日1往復から2往復への増便を生かす戦略を評価する一方、東京オリンピックを契機とした地域活性化策について、オリンピック後をどうするかが描き切れていないと指摘した。
3位の鳥取は、すでに4往復の便があるものの、他の交通手段の利便性が低いことから5往復化による需要増がある程度見込めるとした。
発着枠を獲得できなかった佐賀は、コンテスト枠を用いなくても従来の施策で現在の1日4往復を5往復化できるとした。
4空港へは、石見と鳥取、佐賀に全日本空輸(ANA)、山形に日本航空(JAL、9201)が就航している。
関連リンク
国土交通省
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