カンタス航空(QFA/QF)は、エアバスA220-300型機の初号機「Minyma Kutjara Tjukurpa」(登録記号VH-X4A)を受領し、現地時間12月16日に最終組立工場があるカナダのミラベルをフェリーフライトのQF6075便として出発した。ボーイング717-200(旧マクドネル・ダグラスMD-95)型機の後継機で、カンタスグループで地域路線を担うカンタス・リンク(QFA,QJE,QLK/QF)が運航する。アボリジニ風のデザインが施され、カンタス機で使用される赤ではなく、緑がキーカラーになっている。
A220-300は豪州国内線用の機材で、29機を発注済み。座席数は2クラス137席(ビジネス10席、エコノミー127席)で、航続距離は約6000キロ以上。座席あたりの燃料消費量とCO2(二酸化炭素)排出量を25%削減する。カンタスによると、豪州のどの都市間にも投入できるという。当初はメルボルン-キャンベラ線に投入する予定で、さらに6機のA220が2025年半ばまでに引き渡される見込み。
A220の初号機は、1994年に始まった「フライング・アート・シリーズ」の6機目として、ピジャンジャジャラ族のシニア・アーティスト、マリンガ・ベイカー氏のアートワークをフィーチャー。2人の姉妹が豪州の人里離れた地を共に縦断し、故郷への道を探すという夢物語を描いている。機体の名前は、作品「Minyma Kutjara Tjukurpa – The Two Sisters Creation Story」にちなんだ。
塗装作業には約100人のペインターが携わり、エアバスのチームは130枚のステンシルで詳細なデザインを再現。2万以上のドットが描かれ、エアバスがA220のために完成させた塗装作業の中で最も複雑なものになったという。
フェリーフライトの便名は、ミラベルからバンクーバー経由でホノルルまでがQF6075便、フィジーのナンディからはQF6076便としてシドニーへ向かう。日本時間18日午前6時の時点ではホノルルへ向かっている。
A220は、カナダのボンバルディアが開発した小型旅客機「Cシリーズ」の事業会社をエアバスが2018年7月に買収し、名称を変更したもの。すべてが新設計の機体で、部品を9割以上共通化したA220-100(旧CS100)とA220-300(CS300)の2機種で構成され、メーカー標準座席数はA220-100が100-130席、中胴が3.7メートル長いA220-300は130-160席となる。
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