エアバスは現地時間12月8日、香港のキャセイグループが次世代大型貨物機のA350Fを6機発注したと発表した。キャセイパシフィック航空(CPA/CX)の貨物部門キャセイカーゴが導入する。
キャセイは経年機となったボーイング747-400F大型貨物機を、A350Fに置き換える。エンジンは英ロールス・ロイスのA350向け「Trent XWB(トレントXWB)」のうち、A350-1000が搭載するTrent XWB-97を採用した。
747-400Fと比較した場合、燃料消費量とCO2(二酸化炭素)排出量を最大40%削減し、競合となるボーイングの次世代大型機777Xの貨物型777-8Fと比べ、少なくとも2割は効率的だという。また、2027年に発効するICAO(国際民間航空機関)のCO2排出基準をクリアする。
A350Fは大型旅客機A350の貨物型で、2026年の就航を目指して開発が進められている。ペイロードは最大111トン、航続距離は8700キロメートル(4700海里)を計画し、全長70.8メートルは、標準型のA350-900の66.8メートルと、長胴型のA350-1000の73.79メートルの間の長さとなる。胴体の長さと容量は、業界標準のパレットや貨物コンテナに最適化したもので、機体後部左側に貨物ドアを設けた。
キャセイが保有する旅客型のA350は47機で、A350-900を29機、A350-1000を18機保有。旅客機とパイロットのライセンスが共通であることから、環境面だけでなく運航コストの削減にもつなげる。
関連リンク
キャセイパシフィック航空
Airbus
The final A350F livery design revealed!(Airbus)
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