空港, 解説・コラム — 2023年12月4日 23:48 JST

関空、旅の最後に”日本”感じる新出国エリア　国内最大級の回遊型免税店も

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　関西空港を運営する関西エアポート（KAP）は12月4日、あす5日にオープンする第1ターミナル（T1）の新国際線出国エリアを報道関係者に公開した。日本の国際空港では最大級となるウォークスルー型の免税店「KIX DUTY FREE」は、テーマが異なる4つのエリアで構成。これまでは南北にあった出国審査場を中央に集約し、出発まで随所に日本を感じられる空間とした。

関空新国際線出発エリア中央のプラザエリア＝23年12月4日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

—記事の概要—
・4つに分類
・出国審査場も日本らしさ

4つに分類

　T1のリニューアルは、4つのフェーズに分けて進めており、今回の国際線出発エリアのオープンはフェーズ2にあたる。5日にオープンする免税店の面積は約2500平方メートルで、蛇行した1本道のウォークスルー型の店舗となり、香水や化粧品、酒、タバコ、菓子類を扱い、世界的なブランドから地酒など341ブランドをそろえる。

関空新国際線出発エリアのウォークスルー型免税店「KIX Duty Free」＝23年12月4日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

関空新国際線エリアの免税店フロアマップ（KAPの資料から）

　商業エリアは免税店を含め27店舗がオープン。飲食が9店舗、物販が免税店を含め16店舗、複合とサービスが1店舗ずつで、ジュエリーや時計を取り扱う仏CHAUMET（ショーメ）のほか、寿司やラーメン店、ビアカフェなどが新たに出店する。また、免税店は事前予約にも対応している。

　改修前の42店舗から15店舗減少するものの、飲食は改修前の4店舗から2.3倍になり、22店舗あったブティックと9店舗あった免税店はウォークスルー型免税店に集約したことで、店舗数としては減少となった。KAPによると、2026年に改修がすべて終わる段階では、飲食と物販はさらに増えるという。

　4つのエリアは、ムード（気分）に合わせた異なるテーマで分類。ゆったりとした「Peaceful」、アグレッシブな「Active」、創造力や好奇心を刺激する「Curious」、陽気な「Fun」とし、利用客の気分に合わせて過ごせるよう、飲食店や物販店が混在した商業エリアを展開する。エリアでは「日本らしさ」を提供し、回遊性の向上と業態間の相乗効果を狙う。

関空新国際線出発エリアの「Fun」エリア＝23年12月4日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

関空新国際線出発エリアの「Curious」エリア＝23年12月4日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

関空新国際線出発エリア中央のプラザエリア＝23年12月4日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

関空新国際線出発エリアの「Active」エリア＝23年12月4日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

関空新国際線出発エリアの「Peaceful」エリア＝23年12月4日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

出国審査場も日本らしさ

　出国審査場の有人審査ブースは26、自動化ゲートが8、顔認証ゲートが23で、改修前と同じだが、ターミナルの南北にあったものを中央に集約し、日本らしさを感じられる空間に仕上げた。

関空新国際線出発エリアの出国審査場＝23年12月4日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

　ターミナル中央には、日本建築を摸したフォルムが浮かび上がる「プラザエリア」を新設。シンボリックな屋根と柱を配し、日本の情景をテーマにしたもので、関空から出発前に日本らしさを感じられる空間に仕上げた。

　フェーズ1にあたる国内線の新エリアは、2022年10月にオープン済み。フェーズ3では2025年春ごろに3階の国際線ラウンジと4階の新保安検査場を稼働させて大阪・関西万博（2025年日本国際博覧会）に間に合わせる。その後のフェーズ4では、2026年秋ごろに2階の国際線出発エリア南北にある商業施設の運用を開始し、工事を終える。

　KAPによると、2026年秋を100％とすると、12月5日時点の工事進捗率は約70％になるという。コロナ前2018年度の国際線旅客は約2300万人で、T1リノベーションを中心として、完工後は関空全体で約4000万人を受け入れられる体制が整う。

＊写真は28枚。