ロールス・ロイスは、次世代の低燃費・低騒音エンジン「UltraFan」の技術実証機の最大出力運転に成功した。試験の初期段階では、代替航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料、サフ)」を100%使用した。
今年5月にUltraFanの初試験に成功して以来、重要なマイルストーンに達した。ロールス・ロイスが新型エンジン・アーキテクチャの実証実験を始めたのは54年ぶりで、現行のエアバスA350型機向けエンジン「Trent XWB(トレントXWB)」と比べ、効率が10%向上するという。今回の試験は、同社の最先端のエンジン試験施設「テストベッド80」で実施した。
実証機の試験で、短期的にはUltraFanの開発プログラムから現行のTrentエンジンに技術をフィードバックし、信頼性や効率性の向上を図る。長期的には、推力2万5000-11万ポンドのエンジンに展開できるUltraFanの技術が、2030年代に登場する新しいナローボディ機やワイドボディ機のエンジンとして採用されることを目指す。
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特集・ロールスロイス スタインCTOに聞く
前編 大口径ファンでより低騒音・低燃費に
後編 航空機の電動化、ハイブリッドが当面主流に