オーストリア国防省は現地時間9月20日、新たな戦術輸送機にエンブラエルのC-390「ミレニアム」を選定したと発表した。C-130Kの後継機で、C-390の採用国は5カ国となった。
C-390は、リージョナルジェット機世界最大手であるブラジルのエンブラエルが開発した双発の中型輸送機で、2015年2月3日に初飛行。最大ペイロードは26トン、航続距離は26トン搭載時が2000キロ(1080海里)、フェリー時が6241キロ(3370海里)、最高巡航速度はマッハ0.80(470ノット)で、貨物や物資、部隊の輸送、捜索救助など、多目的に運用できる。
オーストリア国防省によると、調達コストは、1億3000万-1億5000万ユーロで、初号機の受領は最短で2026年を予定。現在3機運用しているC-130Kを置き換えることから、全4機のうち3機が確定発注、1機がオプションとなる見込み。最大80人を運べ、最低30年運用する計画となっている。
これまでの採用国は、ブラジル、ポルトガル、ハンガリー、2022年に選定したオランダで、確定受注はブラジルが22機、ポルトガルが5機、ハンガリーが2機。このうち、ブラジルの発注分はすべて空中給油・輸送型のKC-390で、2019年に引き渡しが始まり、今年6月納入の6号機が初のFOC(完全運用能力)構成の機体となった。
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Bundesministerium für Landesverteidigung
Embraer Defense & Security