日本貨物航空(NCA/KZ)は、自己株式として保有する全部取得条項付種類株式の全7億9097万3000株を8月25日付で消却した。全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が、10月1日にNCAを完全子会社化する手続きの一環。
ANAは、かつてNCAに27.59%出資していたが、2005年に全株式を日本郵船(9101)へ譲渡した。欧米への貨物便を多く運航するNCAを傘下に収めることで、航空貨物事業を拡大する。
NCAの子会社化は簡易株式交換により実施し、株主総会の決議による承認を受けずに行う見通し。将来的にANAの貨物事業との統合・再編を目指す。
ANAグループの貨物事業会社ANAカーゴ(ANA Cargo)は、貨物専用機を11機運航。内訳は大型貨物機のボーイング777Fが2機、中型貨物機の767Fが9機で、2028年以降に次世代大型機777Xの貨物型777-8Fを2機受領する見通し。
NCAは15機保有し、このうち大型貨物機の747-8Fを8機運航中。残り7機は747-400Fで、すべて他社へリースしている。
10月子会社化へ
・ANA、NCAを10月子会社化 貨物事業を統合再編へ(23年7月10日)
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18年度からコードシェア
・ANAとNCAが業務提携 18年度からコードシェア(18年2月27日)
ANAの事業戦略
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・ANA、777X貨物機と737MAX発注 片野坂HD会長「安全性保証されていると確信」(22年7月19日)
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JALはヤマトと貨物事業
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