エアライン, 解説・コラム — 2023年7月22日 22:11 JST

エアアジアX、注意銘柄PN17の指定解除申請 マレーシア証取に

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 マレーシアのエアアジアX(XAX/D7)は現地時間7月21日、マレーシア証券取引所に対して上場要件に基づく正常化計画案提出義務の免除と、注意銘柄を示す「PN17」の指定解除を申請した。

マレーシア証券取引所に注意銘柄PN17の指定解除を申請したエアアジアX=19年11月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 同社によると、エアアジアXは2020年7月30日にPN17に指定。再建策として、債務の再編、発行済み株式総数の99.9%に相当する減資、株式併合、事業計画の見直しなどを進めてきたという。新たな事業計画には、中距離路線に主眼を置き、コスト構造の見直しや不採算路線の廃止、収益性の高い路線への注力などが盛り込まれた。

 新規路線などへの投資はすべて延期し、機材や運航全般に関する契約を見直すなどした。また、人員整理と業務最適化も実施し、人員配置も業務の必要性に見合ったものに改めた。

 これらの取り組みで、エアアジアXは2019年7月1日から2022年6月30日までの12四半期に渡る赤字から脱却し、2022年第3四半期から2023年第1四半期まで3四半期連続で純利益を計上。今年3月31日には株主資本も黒字化したという。

 エアアジアXによると、営業成績や財務状況が大幅に改善したことから、PN17の条項に規定されている分類から外れることになるという。

エアアジアXのイスマイルCEO=19年1月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 エアアジアXのベンヤミン・イスマイルCEO(最高経営責任者)は「事業再構築により、より健全で実行可能な財務状況へと立て直すことができた。営業と財務の業績は、当社の主要市場での需要増加に伴い改善しており、過去3四半期で、73%、79%、80%の搭乗率を記録した」と述べ、旅行需要の回復を強調した。

 「機材の一部はまだ稼働できないものの、すべての収益セグメントを最大限に回復させることができた。キャッシュポジションは健全で未払い債務もなく、12カ月分の運転資金を確保している。また、第三者割当増資により約5000万リンギット(約15億円)の資金を調達した。当社に対する信頼が高まっており、将来の見通しが明るいことを示すものだ」とコメントした。

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