ANAホールディングス(ANAHD、9202)などが出資する整備会社MRO Japan(MROジャパン)は、夏休みの自由研究などに活用できるよう、那覇空港にある機体整備工場(格納庫)で、体験メニューを加えた見学ツアーを7月21日から開催する。
見学ツアーは、水曜から金曜に平日開催する「通常プラン」と、8月末までの毎週土曜と日曜、祝日に開く「夏休み企画」、9月の毎週土曜と日曜、祝日に開催する「飛行機・写真好きの方へのおすすめ企画」の3種類。所要時間は約3時間で、税込の旅行代金は平日開催が6800円、土日祝日開催が8000円で、大人と子供同額となる。集合と解散は那覇空港で、格納庫まで送迎車で移動する。
通常プランは、これまでのツアーと同じく小型機から中大型機まで最大4機が入る格納庫内で、機体や整備作業などを見学する。
「夏休み企画」は訓練用の航空機部品や整備士の工具に触れて重さを体感したり、ライフベストを膨らませるなどの体験メニューを用意。子供向けの「見学ノート」に記録することで、夏休みの自由研究に活用してもらう。
9月の飛行機好きの人向けプランは、通常は立入できないエリアから機体を撮影するなど、写真撮影の時間を多めにとり、8月に塗装を刷新するトーイングカーも用意するという。
MROジャパンは、2015年6月にANAHDが全額出資して設立し、2019年1月の那覇での事業開始前に実施した増資後は株主が8社となった。格納庫は沖縄県が建設したもので、県は航空機整備事業を中心とした航空関連産業の集積を目指しており、MROジャパンは前身の全日空整備時代から使用してきた伊丹空港の格納庫から那覇へ全面移転した。
ANAグループの機体を中心に、日常の整備や自動車の車検にあたるCチェック(重整備)、塗装作業などを手掛けている。テレビアニメ「鬼滅の刃」のキャラクターを描いた全日本空輸(ANA/NH)の特別デザイン機「鬼滅の刃じぇっと -弐-」(ボーイング767-300ER型機、登録記号JA608A)のデカール貼りや、ソラシドエア(SNJ/6J)の特別塗装機「ナッシージェット宮崎」(737-800、JA803X)の塗装も同社が行った。
見学ツアーは2022年4月から実施しており、これまでに約3000人が訪れたという。家族連れが多く、羽田空港でANAなどが開催してるツアーは未就学児が参加できないことから、県外から訪れる家族もいるという。
今後は屋内ツアーであることを生かし、雨の日でも見学できる沖縄のアクティビティーとして、旅行会社などと連携して売り込んでいく。
*写真は20枚。
関連リンク
MRO Japan 機体整備工場見学ツアー(ANA)
MRO Japan
22年から見学ツアー
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