奄美群島の魅力を東京で体験してもらうイベント「まるごと奄美 in 東京」(主催:まるごと奄美実行委員会)が、吉祥寺エクセルホテル東急で7月1日と2日に開かれた。奄美の郷土料理や黒糖焼酎の飲み比べができるビュッフェをはじめ、大島紬の着付け体験、島唄ライブなどが行われた。奄美大島に移住し、1年以上暮らしている日本航空(JAL/JL、9201)の客室乗務員も参加し、奄美地方の魅力をPRした。
まるごと奄美は、2022年6月に渋谷で初開催され、今回で2回目。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、奄美を訪れる観光客数が大きく落ち込む中、地元でリゾートホテルを経営し委員長を務める奥圭太さんらによる実行委員会が、自ら東京に出向いて奄美の魅力をPRしようと始めたイベントだ。
奄美群島は島ごとに特色があるだけでなく、奄美大島の島内でも山を越えるだけで文化が異なり、ひとつの島でも多く文化を体験できる多様性が特徴。ビュッフェだけではなく、奄美の特産品や島唄のCDなどを購入できる物販コーナー「まるごと奄美マルシェ」を用意した。
イベントに参加したJALの客室乗務員、持木絹代さんは地域の魅力を発信する「ふるさとアンバサダー」として、奄美へ2022年春に移住して1年以上暮らしている。黒糖焼酎や奄美の郷土料理などを楽しめるビュッフェでは、羽田から奄美までのフライトに見立てて、来場者を案内した。
持木さんによると、昨年の水際対策の緩和以降、クルーズ船が再び寄港するようになるなど、国内外から観光客が戻りつつあるという。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界自然遺産として、奄美大島と徳之島、沖縄島北部と西表島の4地域が2年前の2021年7月に登録されたものの、コロナの影響で国内外からの旅行需要を取り込めずにいたことから、地元の雰囲気は「やっとこの時が来た」と、活気にあふれているという。
梅雨明けから10月までは、多くの観光客が奄美を訪れる。訪日需要の急回復など、「オーバーツーリズム」が今後の課題になる可能性があることから、持木さんは「奄美を訪れた人が自然を守ってくれる観光を提案したいです。楽しいで終わるのではなく、収穫体験などで人口減少の解決につなげたり、島がうるおう観光を実現していきたいです」と話していた。
特集・世界遺産 奄美群島の魅力
(1)JAL移住CA「台風が来ると会えない人もいます」
(2)山一つ越えると文化違う”多様性”
ふるさとアンバサダー
・「奄美を機内と捉えて回る」JALのCA、新任ふるさとアンバサダー始動
JALの奄美路線
・JAL、羽田-奄美大島30周年 旧JAS DC-9で就航(22年12月24日)
・JALの伊丹-奄美大島線、1月に就航50周年
・JAL、奄美群島で環境保全と振興両立 23年度にドローン事業化目指す(21年10月14日)
・JAL、沖縄・奄美の世界遺産登録で特別塗装機 初便は奄美へ(21年9月7日)